“採用弱社”の戦略論をシリーズでお届けしております。
今回は10本目で採用弱社シリーズの最後の記事となります。

なお、学生から見たネームバリューや認知が弱い企業 = 採用弱者、または、採用弱”社”に向けた記事となります。

シリーズの記事一覧はこちらからご確認いただけます。

”採用弱社”の戦略論

面接官が心得るべき「質問」のNGワード

今回のテーマは面接でのNGワードについてです。
面接は、面接官と学生が1対1で向き合う場面であり、採用弱社では採用強社には有利な「会社の力」よりも、「個人の力」が大きく影響する場面です。

採用弱者が採用強者と同じ土俵(条件下)で勝負できる重要な局面において、明らかな失点は避けたいところです。

そこで今回は、面接官が心得るべき「質問」のNGワードをご紹介します。
たった一つのNG質問で面接を台無しにしてしまうことのないように、どんな質問がNGなのか?を知ることに意味があります。

まずはざっくりとNGな質問の分類を紹介したいと思います。

1. 就職差別につながる恐れがある質問
2. プライベートに関わる質問
3. 意図が不明な質問(奇抜な質問)

1. 就職差別につながる恐れがある質問はNG

厚生労働省では、就職の機会均等を確保するために、
応募者の基本的人権を尊重した公正な採用選考の実施を促しており、
以下の2点を基本的な考え方として採用選考を実施することが大切であると説かれています。

応募者の基本的人権を尊重すること
応募者の適性・能力のみを基準として行うこと

そして、この考え方に基づくと「応募者の適性・能力と関係のない質問」は控えるべきであることが分かります。

例としては「本人に責任のない事項の把握」や「本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握」が挙げられます。

<a 本人に責任のない事項の把握>

・本籍・出生地に関すること
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること

<b 本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>

・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)
・学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

参考:公正な採用選考の基本|厚生労働省

「この質問は、面接時に聞いていたな」と思う質問はありましたか?

2020年卒 マイナビ学生就職モニター調査 6月の活動状況 によれば、実際に面接で聞かれたことがあるもの(不適切とされる質問)には以下があるようです。

画像参照:2020年卒マイナビ学生就職モニター調査6月の活動状況

2. プライベートに関わる質問もNG

「応募者の適性・能力と関係のない質問は控えるべき」という基本から考えると、プライベートに関わる質問も控えるべきです。

<質問例>
「彼氏(彼女)はいますか?」
「結婚の予定はありますか?」
「何歳で結婚をしたいですか?」
「休日は何をして過ごしていますか?」

特に、女性に結婚(や出産)に関する質問などの男女雇用機会均等法に違反する質問は避けましょう。

問(女性労働者からの質問)
採用面接で、「子どもが生まれたらどうするのか」と聞かれました。これは性差別ではないでしょうか。

答   
女性に対し、男性には聞かない質問をするなど、男女で異なる採用選考をすることは均等法に違反します。

また、「女性には大変な仕事なので採用は難しい」「女性の採用は終わりました」などの発言があった場合も均等法に違反する募集・採用が行われている可能性がありますので、ぜひ雇用均等室へご相談ください。

参考:均等法Q&A|厚生労働省

3. 意図が不明な質問(奇抜な質問)はお勧めできません

何の目的でそんな質問をするのか分からない」と学生が思ってしまうような奇抜な質問は学生にとっては大きなストレスであり、自社の志望度を下げてしまう要因になります。

<質問例>
「あなたを動物に例えると何ですか?」

「あなたの就活を色に例えると何色ですか?」

「今日はどうやってここに来ましたか?」

「もし100万円あったら何に使いますか?」

「100円のジュースを1000円で売る方法を考えてください」

これらはアイスブレイクで利用している面接官も多いと思いますが、NGな質問であるとは断定できないものの、気づかぬ間に学生の志望度を下げているリスクがある以上はお勧めできません。

もちろん、こういった奇抜な質問にも面接をする側には何かしらの意図があるとは思います。そこで、「学生の志望度を下げるリスクを取る価値のある質問なのか?」をグーグル社のように検証してみることをお勧めします。

グーグルの広報担当者は米ABCニュースの取材に、試験内容を変更すると認めた。入社希望者から不評をかっており、何よりも「この種の質問を解き明かす力と、将来業務で発揮できる能力やIQとの関連性に疑問が生じた」のが大きな理由だと答えた。

参考:「地頭力」試すのは時間の無駄だった グーグル人事責任者、衝撃の告白|J-CASTニュース

グーグルのような調査はできないにしても、自社の内定者・新入社員にヒアリングを行うことで避けることができます。

・自社の面接で聞かれて嫌な思いをした質問
・他社の面接で聞かれて嫌な思いをした質問

まとめと面接官トレーニングのご案内

いかがでしたでしょうか。
今回は面接官が心得るべき「質問」のNGワードとして大きく3つのカテゴリーを紹介しました。

1. 就職差別につながる恐れがある質問
2. プライベートに関わる質問
3. 意図が不明な質問(奇抜な質問)

これらは事前に面接官トレーニングを実施すれば簡単に避けることができます。不要な選考辞退を避けるためにも面接官にはぜひ教えてあげてください。


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