今回は最近、話題の「傾聴」について、こちらも話題のオードリー・タン氏による10分でできる傾聴の練習法をご紹介したいと思います。

オードリー・タン氏といえば、台湾のIT担当大臣として台湾全土のマスク流通状況がリアルタイムで分かるアプリを開発した人物として話題になりました。

オードリー・タン氏の関連記事を下記に紹介しておきます。

オードリー・タン氏開発のワクチン予約 「弱者」に配慮

リンク先:朝日新聞 DIGITAL
https://www.asahi.com/articles/ASP764H1DP75UHBI00L.html

さて、そんなオードリー・タン氏が推奨する傾聴の練習法の練習法ですが、最近読んだ下記の書籍のP.37で紹介されていました。

天才IT大臣オードリー・タンが初めて明かす
問題解決の4ステップと15キーワード

オードリー・タン (著), 黄亜琪 (著), 牧髙光里 (翻訳)
文響社

オードリー・タンの傾聴の10分でできる練習法

それでは具体的に練習法を紹介していきたいと思います。

わずか10分間で対話力をアップする簡単な方法

頭で考えるよりも、実践あるのみです。
一番簡単な方法は、友達や家族をこんなふうに誘ってみることでしょう。

「ちょっと私に付き合ってもらえないかな。
5分間は絶対にあなたの話に口を挟まないと約束するよ。
5分たったら私が、あなたから聴いた話の内容を説明するね。
その後で今度は私が5分間話をするから、黙って聴いてほしい。
試しに一度、練習してみよう。」

この10分間の「傾聴」練習では、お互いに5分ずつ持ち時間があります。
最初の5分は相手が話してあなたが聴く時間、次の5分は、
相手の話を聴き終えたあなたが、何を聴いたか話す
時間です。

このような簡単なトレーニングで対話を深めていくことができます。

天才IT大臣オードリー・タンが初めて明かす
問題解決の4ステップと15キーワード

オードリー・タン (著), 黄亜琪 (著), 牧髙光里 (翻訳)
文響社
P.37-38

いかがでしょうか。とてもシンプルな練習法で、最初の5分、相手の話を黙って聴き、
その後、5分間で聴いた話を話す、というものです。(まったく同じ通り話すという意味ではありません)

ポイントは最初の5分で口を挟まないというところで、これがなかなか難しいのではないかと思います。

特に、頭の回転の早い人ほど、相手の話の結論が見えたり、相手の抱える問題に対する解決策、アドバイスが思いついたりして、つい口を挟みたくなってしまうと思います。

書籍は友達、家族と行うと書かれていますが、これを職場の傾聴研修の中で行い、トークテーマをいくつか用意しておき、2人に1ペアで、何度かペアを変えて練習するのは良さそうだと思います。

このワークでは足りないところ

ここまでオードリー・タンの10分でできる傾聴の練習法をご紹介してきましたが、当然、10分間でできることには限界があります。
具体的には傾聴トレーニングとしては足りていない要素がいくつかあるように思えます。


例えば、上図は傾聴+コーチングのプロセスをレベルで表したものですが、オードリー・タンの練習法では、一番最初のプロセスである、信頼関係の構築の部分が抜け落ちているように思えます。

逆に言えば、2番目のプロセスである、相手の理解、問題の把握に特化しているとも言えます。

ただし、相手の理解、問題の把握のための傾聴技法としてよく知られているものに以下の4つの行動があるのですが、このような理論的は解説がされるのかどうかも疑問が残ります。

したがって、オードリー・タンの10分でできる傾聴の練習法は傾聴プロセスの中の相手の理解、問題の把握に特化している練習法と捉えて、不足している部分は別途補っていくことが必要かと思います。

傾聴プロセスについてはこちらをご覧ください。

傾聴研修で伝えたい「基本的傾聴の連鎖」

まとめ

なお、書籍では今回紹介した10分でできる傾聴の練習法以外にもオードリー・タン氏が対話を重要視している記述が多く見られますので、ぜひ読んでみて下さい。


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