適応型リーダーシップとは?求められる4つの行動原則(NEWS)
今回は適応型リーダーシップとは?ということで、適応型リーダーシップについて紹介し、さらに、NEWSと呼ばれる求められる4つの行動原則についてご紹介したいと思います。
適応型リーダーシップとは?
まずは適応型リーダーシップについて簡単にご紹介したいと思います。
「正解がない変化の中で、人々と共に問題を探り、適応を促すリーダーシップ」
適応型リーダーシップの起源:ロナルド・ハイフェッツ
適応型リーダーシップ(アダプティブ・リーダーシップ)の概念を最初に提唱したのは、ハーバード大学ケネディスクール教授のロナルド・ハイフェッツです。
ハイフェッツは1994年の著書『Leadership Without Easy Answers』において、

「リーダーシップとは、人々が変化に適応するのを支援する行為である」と定義しました。
当時のハイフェッツは、リーダーを一人のカリスマや地位に縛られるものではなく、群れを変化に向かわせる能力として捉えていました。
なぜ今、適応型リーダーシップが再注目されているのか
ハイフェッツの基本概念は1994年に発表されましたが、ここ数年で急速に注目されるようになった理由は以下のように考えられます。
– 言葉にできない問題が増えたから
– BCGやマッキンゼー等が実務向けに整理・普及したから
御存知の通り、社会はVUCA時代と呼ばれるほど変化と不確実性の流れに見舞われています。
このような世界で、これまで存在していたリーダー像にとらわれない、新たなリーダーシップ「適応型リーダーシップ」が求められています。
また、後述しますが、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のリーブスらが、適応型リーダーシップを実践しやすいように、「NEWSフレームワーク」としてまとめたのも注目を集めた要因と言えます。
ある意味では時代がやっとハイフェッツに追いついた、とも言えるでしょう。
これまでのトップダウンリーダーシップやサーバントリーダーシップと適応型リーダーシップの違い

ここでこれまでのリーダーシップとの違いについて比較してみましょう。カリスマ型のようなトップダウンのリーダーシップが「支配者」や、支えながら導く形のサーバントリーダーシップが「サポーター」と表現すると、適応型リーダーシップは「ファシリテーター」のような自身も答えを探し続けるスタイルといえるかもしれません。
BCGによるNEWSフレームワーク

このハイフェッツの概念をビジネス実務に適用する形で整理したのが、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のマーティン・リーブスらです。
彼らは「Adaptive Leadership」を実践しやすいように、以下の「NEWSフレームワーク」としてまとめました。
適応型リーダーシップを持つための4つの行動原則(NEWS)
先が見通せない中でも、方向性を示し、第一歩を踏み出す能力。
E: Empathy(共感)
他者の考え方や価値観を理解し、ただ同情するのではなく深く理解する能力。
W: Win-Win(双方利益)
短期的利益よりも、長期的な関係構築を意識する能力。
S: Self-correction(自己修正)
一度の決定に固執せず、常にアンテナと自己認識力を働かせ、自らの行動を見直す能力。
引用先:BCG Adaptive Leadership
https://www.bcg.com/publications/2010/leadership-engagement-culture-adaptive-leadership
Navigation(航行)は、正しい答えを求めるのではなく、仮説でも方向を示し群れを動かす力です。具体的には60%の確度で仮説を立ててプロジェクトを開始し、小さく試すといった行動や、顧客ニーズや市場動向を見て、計画中の戦略をピボット(柔軟に修正)するといった行動が該当します。
Empathy(共感)はチームの不安や抵抗を無視せず、受け止める力です。具体的には事前にステークホルダーに意見を聞いたうえで、納得感ある方針をつくることや、1on1や雑談を通じて部下の心理的状態を観察することが該当します。
Win-Win(双方利益)は、自分も相手も成長できるような解決策を探る力です。具体的にはパートナー企業にもメリットが出る契約内容を工夫ことや、「自分の目標」だけでなく「相手の目的」も理解し、関係を崩さずに合意を得るような行動が該当します。
Self-correction(自己修正)は失敗や間違いを認め、早く修正できる力です。具体的には定例会議の中で“前回の判断が正しかったか”をレビューする時間を設けることや、現場や部下からのフィードバックを受けて行動を変えるような行動が該当します。
ミネルバ大学では適応型リーダーの育成に力を入れている

https://www.minerva.edu/graduate-programs/events-overview/
適応型リーダーシップはいまや世界最高峰の大学と言われているミネルバ大学の骨子にもなっています。
ミネルバ大学についてはこちらの書籍が参考になります。
ミネルバ大学の公式カリキュラムでは、「変化に強い人材を育てる」ことが明言されており、その中核にあるのが以下のような要素です。
・多文化環境での共感力と対話能力
・論理的思考力と自己修正力(metacognition)
・リーダーシップを“役職”ではなく“行動”と捉える視点
これらはまさに、ハイフェッツが提唱した「適応型リーダーシップ」の概念と一致しているかと思います。。
なお、ミネルバ大学については過去記事で「研修設計の参考にしたいミネルバ大学の学習科学の16原則」を紹介しています。
研修設計の参考にしたいミネルバ大学の学習科学の16原則
日本でも適応型リーダー育成の活動が始まっている
日本でも、大手人材事業のリクルート社が2022年からミネルバ大学と連携し、適応型リーダーの育成プログラムを開始しています。
リクルート、社会人次世代リーダー向けオンライン研修をミネルバプロジェクトと協働し提供https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001677.000011414.html

まとめ と 関連サービス
今回は適応型リーダーシップとは?求められる4つの行動原則(NEWS)について紹介しました。
適応型リーダーシップに必要な「NEWS」の能力を高めるためにも、チームでの実践的な経験が不可欠です。
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