研修での学びを現場で活かすにはどうすればよいのか?

バークとハッチンズの研究が示す5つの要因では、上司が研修内容を把握し、実践の機会を与えて評価することが重視されています。
研修担当者は上司に内容を共有し、現場で学びを試せる環境作りを働きかけることが重要です。
研修の受講者の中には一定、研修嫌いの方が存在するかと思います。その理由は様々だと思いますが、忙しいのにわざわざ時間が取られること、研修で学んだことは実際には業務で使えないこと、などが一例としてあげられると思います。
※後者は使ってみようと思っても抵抗勢力に押されて諦めた、または、過去にそういう経験があるというのも含まれるかと思います。
研修企画担当者としては、研修での学びをそれぞれの現場で活用して欲しいと考えていると思いますが、どのようにすればそのような研修ができるのか悩んでいる方も多いかと思います。
そこで、今回は研修の転移という理論から、研修での学びを現場で活かすにはどうすればよいのか?を考えてみたいと思います。
研修の転移とは?
【要点】研修における転移とは、研修で学んだことを実際の現場で活かすことを指します。これは、ある文脈で学習した内容を別の新しい文脈で活かすことと定義されており、研修での学びを実務に落とし込むための重要な概念です。病気の転移とは異なり、学習効果を実社会や組織の現場において発揮・応用させるプロセスを意味しています。
転移と聞くと、つい、ガンなどの病気の転移が思い浮かぶと思いますが、研修(学習)における転移とは以下のように定義されています。
つまり、研修で学んだことを現場で活かすこと、といえると思います。
転移を促す5つの要因
そしてこの転移を促す要因として、バークとハッチンズ(Burke and Hutchins)の研究がよく知られています。彼らによれば次の5つの要因が重要だとしています。
2.研修から帰ってきた直後に、ただちに学んだことを試行する機会が得られること
3.研修内容をインタラクティブで学習者参加型にすること
4.上司が学んだことを実践しているかについて追跡・評価すること
5.学習内容を仕事と近いものにすること
Burke and Hutchins 2008
参考:http://www.nakahara-lab.net/2014/01/post_2167.html
読んでいただいて気づいた方も多いと思いますが、研修の内容についての記述が3と5の2つ
に対して、上司に関するものが1と4の2つあることがわかります。
従って、研修を現場で活かすには内容はもちろん、上司が研修内容の概要を知っていて、学んだことを試す機会を与え、試行に対して確認、評価していることが重要となります。
まとめ
【要点】研修での学びを現場で活かすためには、受講者の上司の協力を得ることが不可欠です。研修担当者から上司に対して、研修内容を共有した上で、受講者が何を学んだのかを問いかけてもらい、さらにその学びを実践するための機会の提供を働きかけることが、研修効果を現場に定着させるための重要なポイントとなります。
いかがでしょうか。研修で学んだことを現場で活用してもらうためには、研修内容はもちろんながら、受講者の上司の協力が重要になってきます。
まずは、研修内容を上司にも伝えること、そこで何を学んだことを聞いてみること、また、学びを試す機会を与えてほしいことを研修担当者から伝えていくことがポイントになるかと思います。

