職場改善の9つのチェック視点(MIRROR)を整理したインフォグラフィック

職場改善を行いたいが、具体的にどんなことをやればいいのかよくわからない、という方も多いかと思います。働き方改革やハラスメント対策、人材の定着といった課題が重なるなか、職場改善は多くの企業にとって避けて通れないテーマになっています。

今回は、職場改善のアイデアを考えるためのチェックリストということで、自社の課題を抜け漏れなく洗い出すためのオススメ情報を提供したいと思います。

【結論】職場改善のアイデアは思いつきで挙げるとヌケモレが生じます。産業医科大学が開発した「MIRROR(メンタルヘルス改善意識調査票)」の9つの視点でチェックすると、組織運営・業務改善・対人関係・職場環境・勤務時間・裁量・やりがい・上司の支援・同僚の支援まで、抜け漏れなく改善ポイントを洗い出せます。

MIRRORによる職場改善のアイデア

今回はMIRRORによる職場改善のアイデアについてご紹介したいと思います。なお、MIRRORとはメンタルヘルス改善意識調査票のことで、せっかく職場改善するのであれば、最近話題のメンタルヘルス対策にもなるような取り組みをしたいものです。

MIRRORでは職場改善の視点として、以下の9つの要素に分解しています。まずは全体像を一覧で確認しましょう。

視点 主な着眼点
1. 組織運営・教育 人員配置・業務分担・情報共有・教育研修の機会
2. 作業・業務の改善 過剰な業務やムダの削減・トラブル時の支援体制
3. 対人関係 孤立や独断を防ぎ、良好な人間関係を保つ
4. 職場環境 空調・照明・作業空間など物理的な環境の整備
5. 勤務時間・休息 残業・休日出勤の抑制、休暇の取りやすさ
6. 裁量・権限 担当者が自らの判断で仕事を進められる権限
7. 技能活用・やりがい 各人の能力や工夫を発揮できる仕事の割り当て
8. 上司の支援 上司が相談に応じ、適切に業務調整・説明を行う
9. 同僚の支援 メンバー同士で協力し合える関係づくり

いかがでしょうか。職場改善のアイデアを考えようと思ったとき、上の9項目のうち、「職場環境」については考えていたが、「上司の支援」までは職場改善の領域とは考えていなかった、という方もいるかと思います。MIRRORのようなフレームを用いて考えてみることで、自分の思考のヌケモレをチェックすることができます。

それぞれの項目の細かいチェック項目を見ていきましょう。

1.組織運営・教育

人の配置や仕事量の割り当てが適切に行われ、特定の人に負荷が偏らない。
仕事の指示をする人が明確になっており、誰に従うか迷うことはない。
それぞれの技能に見合った難易度の仕事が割り当てられている。
業務分担の内容は明確化されている。
他のグループとの連携・協力はうまくいっている。
配置転換・グループ換えは適切に行われている。
仕事の方針はみんなの納得のいくやり方で決められている。
職場では、だれでも自由に意見や考えを述べることができる。
顧客からの意見が製品開発やシステム作りに反映されている。
仕事の目標、作業の見通しや位置づけの情報がきちんと伝えられている。
進捗状況・達成度について上司と定期的に話し合う場が設定されている。
ミーティングの回数や内容が適切で、情報や問題が共有できている。
能力や経験に見合った訓練や能力開発のための研修が行われている。
上司が部下の訓練や研修の機会を積極的に与えている。

2.作業・業務の改善

本来の業務を圧迫するほどの余分な仕事はない。
生産や注文などの入力作業による負荷は多すぎない。
資料や報告書の作成は必要最小限になるように配慮されている。
出張業務時の連絡・支援のためのシステムが整備されている。
仕事の大きな負荷が長期化する場合の補充・支援は速やかに行われている。
顧客や関連業者とのトラブル発生時の相談・支援体制はできている。

3.対人関係

職場の中で、勝手にふるまう者はいない。
職場の中で、取り残されたり孤立したりする者はいない。

4.職場環境

職場の分煙は適切に行われている。
作業環境調整(空調・照明など)に、作業者の希望が反映されている。
自分の業務に必要な作業空間は十分に確保されている。

5.勤務時間・休息

残業や休日出勤が多くなりすぎないよう配慮されている。
休憩時間中は確実に休める。
休憩中の電話や来客対応は、特定の人に偏っていない。
仕事の区切りがついたら他の人に気がねせずに帰れる。
「ノー残業デー」が設定され、活用されている。
年休はとりやすい。
時間が不規則な勤務でも、健康面に配慮した勤務体系になっている。
休日出勤はないか、あっても連日にはならない。
休日出勤の後には代休をとりやすい。
混雑する時間・経路を避けて通勤できる。

6.裁量・権限

現場の担当者には、円滑に仕事を進めるために十分な権限がある。
その日の業務量を、自らの裁量で調節できる。

7.技能活用・やりがい

職場では、各人の能力や工夫を生かすことができる。

8.上司の支援

上司が忙しすぎないので、部下からの相談を受ける余裕がある。
上司は部下からの報告・相談を受け、適切な業務調整を行っている。
上司が多忙な職場では、代理を務める者が設定されている。
上司はみんなの仕事が円滑に運ぶよう取りはからっている。
上司と部下の定期的な面接の際、部下の心身の健康状態を確認している。
上司から部下へは、何事についてもきちんとした説明がなされている。

9.同僚の支援

同じ職場のメンバー同士で、互いに協力できている。

なお、MIRRORが開発された当時と比べ、近年はリモートワークやハイブリッド勤務の広がり、ハラスメント対策の強化、心理的安全性の重視など、職場改善に求められる視点も広がっています。9つの要素をベースにしつつ、「オンラインでも雑談や相談がしやすいか」「多様な働き方に配慮できているか」「失敗や反対意見を安心して口にできるか」といった現代的な観点も加えてチェックすると、より実態に即した改善につながります。

いかがでしょうか。それぞれの項目で自社、自部門に足りないと思われるものについて改善案を出していくことで、職場改善につながるのではないかと思います。

MIRRORについて

【要点】MIRRORは、産業医科大学で開発された、職場環境改善のためのチェックツールです。働く人がメンタルヘルスの観点から職場を評価し、改善点を見つけることを目的としています。職場のストレス要因を多面的に捉えている点が特徴で、企業の研修担当者や産業保健スタッフが無料で活用でき、職場改善の最初の一歩として取り入れやすいツールです。

MIRRORは産業医科大学 産業生態科学研究所 精神保健学研究室で開発された、職場環境改善のためのチェックツールです。働く人がメンタルヘルスの観点から自分の職場を評価し、改善すべき点を見つけ出すことを目的としています。

特徴は、職場のストレス要因を「組織運営」「対人関係」「上司・同僚の支援」など多面的に捉えている点です。一般に公開されており、企業の研修担当者や産業保健スタッフが無料で活用できるため、職場改善の最初の一歩として取り入れやすいツールといえます。

MIRRORの詳細や、利用方法はこちらを御覧ください。

産業医科大学 職場環境改善の支援ツール

職場のメンタルヘルス対策をさらに進めたい方へ

【要点】職場のメンタルヘルス対策をさらに進めるには、まずMIRRORのようなチェックツールで課題を明確にしましょう。その上で、従業員がセルフケアラインケアを学ぶ機会として、研修やグループワークを導入することが効果的です。弊社では、メンタルヘルス研修で活用できるグループワーク・ゲームをまとめた記事もご用意しており、具体的な対策検討に役立ちます。

MIRRORは、職場のメンタルヘルスを改善するための第一歩となるチェックツールです。チェックで見えてきた課題を具体的な対策につなげるには、研修やグループワークを通じて従業員がセルフケア・ラインケアを学ぶ機会をつくることも効果的です。

弊社でも、メンタルヘルス研修で活用できるグループワーク・ゲームを目的別にまとめた記事をご用意しています。職場のメンタルヘルス対策を具体的に検討したい方は、あわせてご覧ください。

メンタルヘルス研修で使えるグループワーク・ゲーム3選

メンタルヘルス研修で使えるグループワーク・ゲーム3選|セルフケアからラインケアまで


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