【新卒採用】面接官が心得るべき「態度」の影響力 ”採用弱社”の戦略論 その9

“採用弱社”の戦略論をシリーズでお届けしています。本シリーズは、学生から見たネームバリューや認知が弱い企業=採用弱者・採用弱”社”に向けた記事です。
“採用弱社”の戦略論 シリーズ一覧
本記事のテーマは面接官の「態度」の影響力です。面接官の態度が学生の志望度にどんな影響を与えるのか、どう改善すればよいのかを調査データと実務ポイントで整理します。
1. 面接官の態度が悪いと学生の志望度が下がる
「学生は自身の就活の軸との相性で志望度を判断しているから、面接官の態度が悪かったぐらいで志望度が下がることはないだろう」とタカを括るのは危険です。

画像参考: 辞退理由は、面接前・面接後・内定後それぞれの段階で違う|エン人事のミカタ
事実、エン・ジャパンの調査によれば、面接後の辞退理由の第4位に「面接官の行動や態度が悪かった」がランクインしています。

画像参照: 「面接で志望度が下がる瞬間」について|Re就活 就職・転職アンケート結果
Re就活の調査でも、「面接時に志望度が下がってしまう瞬間は何ですか?」という問いに対して、「圧迫面接を受けた時」や「プライベートな事柄など、不適切な質問を受けた時」などを抑えて「面接官の態度、話を聞く姿勢が悪かった時」が第1位に挙がっています。
これに対する対策としては、前回紹介した面接官トレーニングの実施(または面接官マニュアルの作成・共有)が有効です。面接官各人が面接官としての心構えや振る舞い方を学ぶことで、面接時の態度や話を聞く姿勢を改善できます。
面接官トレーニングの目的とは? “採用弱社”の戦略論 その8
「あの会社の面接官は態度が悪かった」という悪評が就活の口コミサイト(OpenWork・ワンキャリア・みん就など)で一気に広まる時代であることも考慮し、面接官一人ひとりに「会社の顔」としての自覚を促すことをお勧めします。
2. 面接官の態度は学生の志望度を「上げる」効果もある
面接官の態度は、学生の志望度を下げるだけでなく上げる効果もあります。


画像参照: 2020年卒マイナビ学生就職モニター調査6月の活動状況
マイナビの学生調査によれば、学生が「面接で志望度が上がった理由」の上位3つが面接官の態度に関する内容と読み取れます。
志望度を上げる面接官の3つの態度
この調査結果を踏まえると、面接官は以下の態度を徹底することで学生の志望度アップにつなげやすくなります。
| 態度 | 具体的な行動 |
|---|---|
| 学生の話をしっかり聞く | 頷き・相槌を入れる、学生の話を遮らない、メモを取る |
| 学生がリラックスできるように接する | 入室時の挨拶を丁寧にする、アイスブレイクを挟む、表情を柔らかくする |
| 学生の考えを受け止める(否定しない) | 意見に対して即座に反論せず、まず受け止める、深掘り質問で対話する |
採用担当の方には当たり前に見えるかもしれませんが、これは採用担当者としてのスキル・マインドによるものです。面接官としてアサインされた現場部門の方々に対しては、このような態度で面接に臨むようお願いはできても、実践できる方はそう多くありません(※)。
※ 実践できていない面接官が多いからこそ、できている面接官に対して学生が好印象を抱き、志望度が上がるとも言えます。
採用弱社が取るべき面接官選抜・育成アプローチ
採用弱社は、面接官の「個人の力」が採用成否を分けます。以下のアプローチがおすすめです。
・面接官は”当たり前ができる人”を優先的にアサイン:ベテラン幹部より、傾聴姿勢の良い中堅を選ぶことも視野に入れる
・面接官トレーニングでロールプレイまで実施:マニュアル配布だけでは定着しない。模擬面接+フィードバックで体得させる
・複数面接官体制で相互モニタリング:1人の面接官に任せず、他の面接官が態度を客観的に観察する
・面接後の学生アンケート導入:受験者から面接体験を匿名で収集し、面接官にフィードバックする
・口コミサイトのモニタリング:OpenWork・ワンキャリアなどで自社面接の評判を把握し、改善サイクルに組み込む
面接は、面接官と学生が1対1で向き合う場です。採用弱社や採用強社という「会社の力」よりも、面接官という「個人の力」が大きく影響する場面だからこそ、面接官の人選とトレーニングには徹底的にこだわりたいところです。
採用戦略・面接設計を学ぶ書籍
採用設計の基盤を学ぶには、下記書籍が参考になります。
まとめ
面接官の「態度」は、学生の志望度を上げる方にも下げる方にも大きく影響します。特に採用弱社にとっては、会社全体のブランド力よりも面接官個人の振る舞いが入社意思決定を左右するため、面接官選抜・トレーニング・フィードバック運用を整備することが重要です。
