新入社員・中途採用者の早期定着・活躍を目的としたオンボーディングは、人事・採用領域で重要性を増しているテーマです。座学のオリエンテーションだけでは、新規社員と既存社員の心理的距離を縮めきれないケースも多く、ワークショップ型の交流施策を組み合わせる企業が増えています。

本記事では、オンボーディングの基本と、新規社員と既存社員の交流を促す2つのワークショップ型施策(リーダーズインテグレーション、コンセンサスゲーム)をご紹介します。

オンボーディングとは

「オン・ボーディング(on-boarding)」とは、「船や飛行機に乗っている」という意味の「on-board」から派生した言葉。本来は船や飛行機に新しく乗り込んできたクルーや乗客に対して、必要なサポートを行い、慣れてもらうプロセスのことを指します。

HR プロより

人事用語としては、新たに入社した人の定着および活躍のための取り組みを総称する言葉として使われます。

オンボーディングで行うべき主な施策

オンボーディングとして行うべき施策はさまざまです。

施策 目的
入社後オリエンテーション 人事・総務関連の手続きと会社の基本情報の共有
理念浸透研修 経営層からのメッセージで、ミッション・ビジョンを共有
部署内歓迎会 部署メンバーとの初対面の場(最近はランチ形式の傾向)
人事面談 定期的な人事との面談による孤立防止
メンター制度 先輩社員が1対1で業務・職場適応を支援

細かい施策についてはen-Japan社の記事にも整理されています。

オンボーディング施策一覧

画像参考: https://corp.en-japan.com/success/3508.html

この図を見ると、「歓迎」や「コミュニケーション」といった項目の施策が多く、新たに入った社員と既存社員の交流がオンボーディング成功のポイントになりそうです。

以下では、新規社員と既存社員の交流を促すワークショップ形式のオンボーディング施策を2つご紹介します。

1. リーダーズインテグレーション

リーダーズインテグレーション 実施イメージ

1つ目はリーダーズインテグレーションという手法で、本来は新たに着任したリーダーがメンバーに対して行う手法です。新規社員のオンボーディングにも応用できます。

1. 新たに入社した社員が自己紹介/これまでやってきたことの発表を行う

2. 新たに入社した社員は部屋から退室

3. 残ったメンバーだけで以下の項目について意見を出す
 ① 新たに入社した社員について知っていること
 ② 新たに入社した社員について知らないこと
 ③ 新たに入社した社員に知っておいてほしいこと
 ④ メンバーが新たに入社した社員のためにできること

4. 今度はメンバーが部屋から退室

5. 新たに入社した社員が入室し、続く…

リーダーズインテグレーションの詳しいやり方はこちらをご覧ください。

リーダーズインテグレーションのやり方

この手法の効果は、お互いの紹介を構造的に実施できるところです。歓迎会などのフランクな場では、上記ステップ3の4つの視点のうちいくつかが漏れてしまう可能性が高く、「知らないこと」や「知っておいてほしいこと」といった素直な共有が抜けがちです。構造化された枠組みがあることで、暗黙知を早期に明らかにできます。

2. コンセンサスゲーム「砂漠からの脱出」

砂漠からの脱出

2つめはコンセンサスゲームを用いたワークショップです。コンセンサスとは合意形成を意味します。

この手のゲームは、あるシチュエーションで個人の意見を考え、それをメンバー全員で持ち寄り、チームとしての意見にまとめる流れで実施されます。弊社HEART QUAKEが提供する「砂漠からの脱出」では、砂漠で遭難した状態から生き残るためにはどのアイテムが重要かという優先順位をチームで議論します。

砂漠からの脱出オンライン 導入社数・満足度グラフ

2026年2月現在、砂漠からの脱出ゲームオンラインの導入社数は約100社、受講者満足度は4.94(5点満点)となっております。

コンセンサスゲーム「砂漠からの脱出」のやり方

この手法のオンボーディング効果は、ゲーム中に人と意見が合わない場面が必ず生まれる点にあります。ゲーム後の振り返りで「なぜ人と意見が合わないのか」の要因(持っている情報が違う/目的が違う/価値観が違う)を共通のフレームワークとして学ぶことで、今後新規社員と既存社員の間で意見が合わない場面があっても、無駄な対立ではなく建設的な議論に変換できるようになります。

3. ワークスタイルトランプ

ワークスタイルトランプ

3つめはワークスタイルトランプを用いたワークショップです。トランプ形式の52枚のカード(4つのマーク・13個の数字)に働き方や職場環境のキーワードが記載されており、2〜3人1チームで自分が働く上で大事なカード10枚を選んで他メンバーと共有します。

カードのマークには意味が付けられており(例: 黒のカードが多ければワーク寄り、マークの先端が尖ったカードが多ければ挑戦型企業志向)、まず自己理解を深めたうえで相互インタビューに入ります。「なぜこのカードを選んだのか」を掘り下げる中で、その人の過去の経験(前職や家庭環境)や価値観が自然と現れるのが特徴です。

新規社員と既存社員の混成グループで実施すれば、自己紹介では語られにくい働き方の価値観まで踏み込んだ相互理解ができます。

2025年10月現在、ワークスタイルトランプ(カード版)の導入社数は約190社、受講者満足度は4.59(5点満点)となっております。

ワークスタイルトランプ満足度

詳細はワークスタイルトランプ紹介記事をご覧ください。

4. プロジェクトテーマパーク

プロジェクトテーマパーク

4つめはプロジェクトテーマパークを用いたワークショップです。3〜5名が1チームとなってテーマパーク開園プロジェクトのメンバーとなり、6ヶ月後のオープンに向けてプロジェクトを遂行するチーム型ボードゲームです。各メンバーには役割カードが配布され、それぞれの特徴(強み)を活かすことが成功の鍵になります。PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)の要素を取り入れており、本来はプロジェクトマネジメント研修・中堅〜管理職研修・役割分担/強み活用研修での利用が中心です。

新規社員と既存社員の混成チームで実施すれば、配属後にチームで役割を持って動く体験の予告編として、役割分担と強みを持ち寄ることの効果を早期に体感できます。

【対象人数】3〜100名以上(1チーム3〜5名) / 【実施時間】2時間半〜3時間

2026年4月現在、プロジェクトテーマパークの導入社数は約100社、受講者満足度は4.9(5点満点)となっております。

プロジェクトテーマパーク満足度

詳細はプロジェクトテーマパーク実施の流れをご覧ください。

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オンボーディングのワークショップ選びのポイント

オンボーディングのワークショップを選ぶ際は、以下の観点で比較するとフィットするものが見つかります。

目的:相互理解 or 合意形成 or 業務知識の共有
所要時間:30分〜半日まで、オンボーディング全体のスケジュールに合うか
参加人数規模:少人数の部署単位か、大規模な集合研修か
社内講師・外部講師のどちらで回すか:自走できる形か、プロが必要な設計か
オンライン・対面のどちらか:拠点が分散している場合はオンライン実施可能かが重要

まとめ

オンボーディングの施策は多様ですが、新規社員と既存社員の交流を構造的に促すワークショップ型施策は、座学では得られない相互理解を短時間で生み出します。リーダーズインテグレーションやコンセンサスゲームを、既存のオリエンテーション+歓迎会の組み合わせに加えることで、定着率・活躍の立ち上がりが大きく変わります。


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