若手社員のモチベーションの5パターン「VIOCEフレームワーク」
今回は特に若手社員が働くモチベーションとしてどのようなものを持っているのか?というテーマについて書いてみたいと思います。
最近の若手社員のモチベーション低下に悩む担当者や上司は多いのではないでしょうか。
2020.06.12発表のリ・カレント社の調査によれば20代働く若手社員のうち、働く理由を明確に「持たない」が9割とのことです。
コロナで価値観が揺らぐ若手が半数越え!
2020年度、最新20代若手社員の意識調査レポート
リ・カレント 2020.06.1
また、2020.06.29発表のリクルートマネジメントソリューションズ社による2020年 新入社員意識調査によれば2020年4月入社の新入社員は鍛え合いや競争よりも、互いに助け合い成長していく職場が理想と回答した人が多かったようです。
画像参照:https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000000867/
このように働くモチベーションというのは世代や、我々をとりまく環境によって変わってきていると思います。
しかしながら、企業としてはできる限り働くモチベーションを高く保って欲しいというのが本音かと思います。
そこで、今回は若手社員のモチベーションの5パターン「VIOCEフレームワーク」というものを紹介したいと思います。
「VIOCE」フレームワークとは?
VIOCEフレームワークは野村総合研究所が発表したフレームワークで、未来工業やグーグルなどの従業員の働くモチベーションが高い企業37社にインタビューを行い、若手社員のモチベーションにアプローチできる取り組みとして整理したものです。
詳しくはこちらを御覧ください。
知的資産創造. 15(8)
VOICEは以下の5つのキーワードの頭文字を取ったものとなっています。
⇒組織(企業)には社会に対するミッションが存在し、そのミッションを自分(従業員)も共有している
Opportunity型
⇒組織(企業)には自分(従業員)が成長するための機会が存在する
Innovation型
⇒組織(企業)には自分(従業員)が新たな価値を世に提供していくための仕組みが確立されている
Communication型
⇒組織(企業)には自分(従業員)と深い価値観を共有できる仲間が存在する
Environment型
⇒組織(企業)には自分(従業員)の能力・意欲を存分に発揮できるための環境が用意されている
引用:モデルケースを踏まえた「働くモチベーション」への実践的アプローチ 表4より
見ていただいていかがでしょうか。自社の若手社員(ご自身の部下)は5つのうち、どのようなモチベーションを持って働いているのでしょうか?当然、どれか1つというわけではなく、これらが複数混ざっている、または金銭的なモチベーションなどその他の分類が混ざっている場合も多いでしょう。
タイプが分かれば、取るべきアクションは変わってきます。以下では、タイプ別の取り組みについて紹介します。
⇒ 「情熱的な」ミッションの(再)定義
⇒ 行動規範の規定、改定
⇒ 顧客との対話機会の設定
Opportunity型
⇒ ロールモデル、キャリアパス(職務経歴)構築
⇒ コーポレートユニバーシティ(企業内大学)の設定
Innovation型
⇒ 提案制度、褒賞制度の導入
⇒ 20%タイムルールの導入
Communication型
⇒ オフィスの移転、再構築
⇒ 各種セレモニーの実施
Environment型
⇒ 権限委譲、組織再編
⇒ 社内フリーエージェント制度の導入
⇒ ワークプレイスデザインや就業規則設計
引用:モデルケースを踏まえた「働くモチベーション」への実践的アプローチ 表5より
どれも全社的な施策が多く、1人の上司として取れる施策というわけではないかもしれませんが、近しいようなことは自分の部門でも実現できるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は働く理由を明確に「持たない」が9割という最近の若手社員のモチベーション低下に悩む担当者や上司の方向けに、若手社員のモチベーションの5パターン「VIOCEフレームワーク」をご紹介しました。
参考になれば幸いです。
さらに詳しく知りたい方はぜひこちらも御覧ください。
知的資産創造. 15(8)