セクハラのグレーゾーン事例とその判断軸 — 呼び方・恋愛経験・体調の3グレー事例と不快感/上下関係/継続性の3判断軸

【結論】セクハラのグレーゾーンは「呼び方」「恋愛経験」「体調」の3カテゴリに集約されます。
判断軸は『相手の不快感の有無・上下関係・継続性』の3つで、同じ言動でも文脈で評価が変わります。
本記事の事例を通じてチーム内で判断基準のすり合わせを行うことが、健全な職場づくりの第一歩です。

目次

1. 事例1:呼び方編
2. 事例2:恋愛経験編
3. 事例3:体調編
4. セクハラの判断軸
5. ハラスメント研修をご検討の方へ

今回はセクハラのグレーゾーン事例とその判断軸ということで、セクハラのグレーゾーンの事例を3つご紹介したいと思います。

それでは早速、事例その1から。

事例1:呼び方編

異性の同僚に対し、親しみを込めて下の名前で「◯◯ちゃん」と呼んだ

おいおい、ちゃん付けもダメかよ・・・もう職場で何も話せないよ、という方も多いと思います。

グレーゾーンとなる理由はこちらです。

相手が不快感がなければ良いが、
不快感がある場合、セクハラの可能性がある。
「ちゃん付け」が浸透している職場では問題がない

先日、ある大企業のマネージャー(Y氏 男性)と本件について話しあいましたが、Y氏はメンバーに対して、「ちゃん付け」はしないが、そう言えば無意識的に男性には◯◯くん、女性には◯◯さんと呼んでいるかもしれない。
自分のチームのメンバーにはトランスジェンダーの人もいるから本当は全員に対して◯◯さんが正しいんだろうな、と言っていました。

正直に言って、大企業のマネージャーはここまで意識しているのか、とその意識の高さに驚きました。

ハラスメントフラグでの回答データ

なお、弊社が提供するハラスメントの認識のズレを見える化するワーク「ハラスメントフラグ」での約1500名の回答データではライトグレー(微妙だがハラスメントではないと思う)が最も多い回答となっております。(2026年2月現在)

事例2:恋愛経験編

酒の席の雰囲気で、同性の後輩達に過去の恋愛経験を話させた。

え?そんなこと?と思った方も多いと思います。飲み会で恋愛の話をするのはテッパンで、これでグレーゾーンなの?と思う方も多いと思います。

なぜ、これがグレーゾーンにあたるのか、その理由は下記となります。

複数人に恋愛経験を暴露させることは、
不快感を感じる人がいる可能性が高く、セクハラにあたる可能性が高い。

当然、関係性にもよると思うのですが、暴露させるというニュアンスが強くなるにつれてセクハラに近づいいくてでしょう。

ハラスメントフラグでの設問の先輩から「最近イキイキしてるね?恋人でも出来た?」と聞かれるについての1500名以上の回答データは以下のようになっています。全体としてはブラックという回答が多いですね。

また、セクハラ全体に言えることですが、相手が不快感を感じるかどうかが判断軸の1つのポイントになります。

事例3:体調編

【要点】体調や容姿への言及は「気遣い」のつもりでも、受け手の不快感次第でセクハラに転じます。肌荒れ・疲れ・化粧ノリなど身体的な変化を職場で口にすること自体がリスクであり、判断軸(不快感の有無・上下関係・継続性)で慎重に見極める必要があります。特に上司から部下への発言は権力勾配が働くため、本人が「気にしていない」と言っても受け止め方が変わることに留意しましょう。

最後のグレーゾーン事例です。

女性社員に対して「肌荒れ酷いけど、大丈夫?」と尋ねた。

これまでの2つの事例よりも分かりやすくグレーゾーン、いや、ブラック?に近いかもしれません。
グレーゾーンとなる理由は以下の通りです。

体調を心配することは本来問題はない
ただし、容姿に関わることを聞いて、相手が不快に思うと
セクハラになる可能性がある。

わざわざ、肌荒れ酷いけど、という必要はなかったかもしれません。
逆に、最近、肌の調子良いね。彼氏とうまく行ってるの?と聞くのはセクハラにあたる可能性が高いと思います。

体調とは少し異なりますが、美容室に行った翌日、「その髪型、似合ってるね」と言われるという設問について1500名以上の回答データではかなりバラツキがあるようです。

セクハラの判断軸

セクハラ グレーゾーン 判断軸

ここまでご覧いただいた通り、セクハラか否かの判断軸は「相手が不快感を感じるかどうか」が最も重要なポイントです。ただし、不快感の有無だけでなく以下の3つの軸を総合的に見ることで、より正確に判断できます。

① 不快感の有無:同じ言動でも、受け手によって不快感の度合いは異なります。「自分は冗談のつもり」「親しみを込めて」は判断材料になりません。
② 上下関係/権力勾配:上司から部下、先輩から後輩など、立場の差がある場合は「断れない/不快を表明しづらい」構造が働きます。同じ発言でも上から下の方向ではセクハラリスクが大きく跳ね上がります。
③ 継続性/反復性:1回の発言と、繰り返し続く発言ではダメージの蓄積が違います。一度言われて流せても、毎日続けば苦痛になります。

普段からの関係性が判断に大きく影響するのは事実ですが、関係性に甘えて「これくらいOK」と判断するのではなく、上記3軸でチェックする習慣がチームの信頼を守ります。

ただし、下記のような事例は業務上必要な指導となりセクハラには該当しないと考えられます。

業務の特性上、ネイルは禁止にしているが、
女性部下が派手なネイルをしていたので止めるように注意した。

ここまで出てきたような事例を使ったセクハラについてのクイズはこちらからご覧いただけます。

セクハラクイズ〜セクハラか否か、はたまたグレーゾーンか〜

ハラスメント研修をご検討の方へ

弊社ではハラスメントについての認識の違いを見える化するためのワークとして「ハラスメントフラグ」というツールを使ったハラスメント研修を提供しています。
詳しくはこちらを御覧ください。

上記画像でも紹介しているオンライン版

対面で使えるカード版の両方を用意しております。

オンライン版についてはこちらを御覧ください。

ハラスメントクイズ:認識のズレを可視化するゲーム「ハラスメントフラグ」

カード版についてはこちらを御覧ください。

ハラスメント研修で使えるカードゲーム「ハラスメントフラグ」


この記事を書いた人

千葉 順
千葉 順
株式会社HEART QUAKE 代表取締役
元法政大学兼任講師(キャリアデザイン論)
→ 詳しいプロフィール

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