女性活躍推進研修で伝えたい 日本の現状認識データ10選
【2024-2025年版】女性活躍推進研修で伝えたい日本の現状認識データ 10選|なぜ「個人の意識」だけでは変わらないのか?
「女性社員への研修は実施しているが、管理職がなかなか増えない」
「制度は整えたのに、利用が進まない」
近年、「人的資本経営」や「ダイバーシティ推進」が叫ばれる中で、多くの人事担当者様からこのようなご相談をいただきます。なぜ、日本の女性活躍推進は足踏み状態のままなのでしょうか?
結論から言うと、これは女性個人の意欲や努力不足の問題ではないからです。
社会構造、組織文化、そして無意識のバイアス(アンコンシャス・バイアス)が複雑に絡み合った「構造的な問題」だからです。
今回の記事では、社内研修や経営層への説明でそのまま使える「日本の女性活躍に関する現状認識データ 10選」をご紹介します。
以下の3ステップでデータを読み解くことで、“いま組織で何が起きているのか”が立体的に理解できます。
現状を読み解く3ステップ
・ステップ2:結果としての格差 … 組織で起きている現象を知る
・ステップ3:構造的な原因 … なぜその現象が起きるのかを知る
【ステップ1】国際比較:日本の立ち位置(①〜③)
まず、「なんとなく遅れている気がする」という感覚を、数字で客観視します。

画像引用:https://cdp-japan.jp/article/20240702_8005
① ジェンダー・ギャップ指数(GGI)全体
[データ] 日本は146カ国中118位(2024年版)
[解説] G7(先進7カ国)最下位。まず「国際標準から見て大幅に遅れている」という事実認識が出発点です。
[出典] World Economic Forum
② 「経済」分野の低迷
[データ] 4分野のうち「経済」が120位
[解説] 教育・健康は高順位ですが、企業活動の根幹である「経済」が特に深刻。日本企業の現場文化に起因した課題です。
[出典] World Economic Forum
③ 「政治」分野の低迷
[データ] 政治分野113位、女性国会議員比率約10%台
[解説] 意思決定層の偏りは、働く女性を支える制度設計の遅れに直結しています。
[出典] World Economic Forum/総務省
【ステップ2】結果としての格差:組織で起きている現象(④〜⑥)
次に、私たちの組織の中で具体的にどのような「差」が生まれているかを見ます。
④ 男女間賃金格差(ジェンダー・ペイ・ギャップ)
[データ] 男性100に対し女性78(格差22%)
[解説] OECD平均(約11〜12%)の約2倍。能力差ではなく、職種・雇用形態・勤続年数などの構造的な違いに起因する賃金差です。
[出典] OECD「Gender wage gap (2023)

⑤ 女性管理職比率(ミドルの壁)
[データ] 課長相当職に占める女性比率は12.3%、部長相当職ではわずか8.7%(令和6年度)。
[解説] 組織の中核層に女性が少ないボトルネックが存在します。
[出典] 厚生労働省 令和6年度雇用均等基本調査

⑥ 女性役員比率(トップ層の壁)
[データ] プライム市場上場企業の女性社内役員比率は4.5%(2024年7月末時点)
[解説] 外部からの「採る」は進んでいますが、社内で「育てる」パイプラインが機能していません。
[出典] 内閣府「女性役員情報サイト」


【ステップ3】構造的な原因:なぜ格差が生まれるのか(⑦〜⑩)
なぜこれほどの格差が解消されないのか、その「真因」にメスを入れます。
⑦ L字カーブ現象(正規→非正規)
[データ] 出産・育児を機に正規→非正規へ移行しやすい
[解説] 働き続けても「雇用の質」が低下する断絶(L字カーブ)が、キャリア継続を阻んでいます。
[出典] 内閣府「令和5年版 男女共同参画白書」

⑧ 内部登用の壁(パイプライン問題)
[データ] 階層が上がるごとに女性比率が急減
[解説] 若手時代の成長機会(タフアサインメント)の偏りが、経験差・昇進差の連鎖を生んでいます。
[出典] 厚生労働省 令和5年度雇用均等基本調査
⑨ リーダー層の格差(係長・主任級)
[データ] 女性で係長級昇進者を有する企業割合約8% → 課長・部長でさらに低下
[解説] 格差は管理職手前から始まっています。20〜30代の早期キャリア支援が重要です。
[出典] 厚生労働省 令和5年度雇用均等基本調査

⑩ 男性育休取得率(文化・慣行の壁)
[データ] 男性育休取得率約40.5%へ急増
[解説] 前回の30.1%から大幅増。「取る」ことは当たり前になりつつありますが、取得期間は「2週間未満」等の短期間が依然多く、
実質的な育児分担には課題が残ります。
[出典] 厚生労働省 育児休業制度 特設ページ

まとめ:鍵は「個人の意識」ではなく「組織のOSアップデート」
以上のデータから分かる通り、女性活躍が進まない理由は「女性のやる気」ではありません。
・キャリア初期からの経験格差(⑨)
・育児期の雇用断絶と家事育児の負担偏在(⑦・⑩)
・昇進パイプラインの機能不全(⑧)
これら「連鎖する構造的な壁」こそが真因です。
だからこそ、これからの研修に必要なのは、
女性個人のスキル強化だけではなく、組織側の“OSアップデート”です。
・性別に左右されない成長機会の設計
・育児期でもキャリア継続できる心理的安全性のある風土づくり
参考になれば幸いです。
