経験学習サイクルとアンラーニング
今回は最近話題のアンラーニングについて書いて行きたいと思います。
アンラーニングについてはこれまでも、個人のアンラーニングと組織のアンラーニングそれぞれについて記事を書いていますのでそちらも合わせてご覧いただければと思います。
個人のアンラーニングを促進する2つの方法。
組織のアンラーニングで捨てるべきはなにか?
今回は下記の書籍で経験学習サイクルとアンラーニングについて触れられておりとても興味深かかったのでご紹介したいと思います。
松尾 睦
同文舘出版 (2021/6/17)
経験学習サイクルとは?
経験学習サイクルは、デイビッド・コルブが提唱する、人が経験から学習するプロセスについての循環モデルです。
我々のようなビジネスゲーム研修を行っているものにはとても興味深い理論で、ゲームという経験をしてもらい、ゲーム中に起きたことを内省・省察し、現実に使える気づきや学びを概念化してもらうというのが重要になります。
しかし、このサイクルにはアンラーニングという概念が抜けているように思えます。いや、抜けているは言い過ぎかもしれません。概念化のタイミングで「これまでXだと思っていたことが、Yだと思うようになった」といった学習棄却が発生しているかもしれませんが、その部分の記述が弱いというべきでしょうか。
そこで、松尾先生の書籍では経験学習サイクルとアンラーニングを絡めて以下のようなモデルが掲載されていました。
松尾 睦
同文舘出版 (2021/6/17)
上画像では教訓を引き出す、と記述されている部分が概念化のプロセスで、このプロセスで2択に分岐しています。
1つが、過去の教訓に固執と記述されているアンラーニングなしで、これまでの経験からの学びが強化される(やっぱりXだな)という分岐と、もう1つが「これまでXだと思っていたことが、Yだと思うようになった」といったような、信念やルーティンの変更というアンラーニングありの分岐です。
このように既存の抽象的な理論をより具体的にしてもらうというのは私のような一般人にはとてもわかりやすく、ありがたいものです。
まとめ
今回は松尾先生の書籍から経験学習サイクルとアンラーニングについてご紹介しました。
本書はアンラーニングについてとても多くの示唆を得られる書籍となっていますのでぜひ読んでみてください。
松尾 睦
同文舘出版 (2021/6/17)