バイイングサイクル(購買サイクル)とは?B2B営業で不戦敗を防ぐ

このプロセスはAIDMAに類似しており、見積書(RFQ)対応や投資収益率(ROI)モデルの提示などを通じて顧客の意思決定をサポートすることが求められます。
目次
1. バイイングサイクル(購買サイクル)とは
2. サイクルの出発点はUnaware|負ける理由の第1位は「不戦敗」
3. AIDMAプロセスとの類似性
4. B2B営業に必要な顧客維持という視点
5. まとめ
今回はB2B営業に必要なバイイングサイクル(buying-cycle)についてご紹介したいと思います。日本語では購買サイクルと呼ばれることもある考え方です。
バイイングサイクル(購買サイクル)とは
バイイングサイクル(buying cycle)とは、見込み客が商品を知らない「Unaware(未認知)」の状態から、認知・関心・情報収集を経て購買に至り、購入後に支持者(Advocate)になるまでの一連のプロセスを指します。日本語では「購買サイクル」「購買プロセス」と訳されます。B2Bの購買は複数の担当者が時間をかけて比較検討するため、顧客が今どの段階にいるかを把握したうえで営業活動を設計する必要があります。
バイイングサイクルは次の6つのステージで構成されます。
| ステージ | 顧客の状態 | AIDMAとの対応 |
|---|---|---|
| 1. Unaware(未認知) | 商品も会社も知らない | 該当なし |
| 2. Aware(認知) | 名前や存在を知っている | Attention(注意) |
| 3. Interested(関心) | 自社の課題と結び付けて興味を持つ | Interest(関心) |
| 4. Informed(情報収集) | 資料・見積・トライアルで比較検討する | Desire・Memory(欲求・記憶) |
| 5. Buying(購買) | 発注・契約する | Action(行動) |
| 6. Advocating(支持) | 継続利用し、他社へ推薦する | 該当なし |
バイイングサイクルは主にB2Bの営業において必要な考え方だと思います。
早速画像でご覧頂ければと思います。

画像参照先:The Buying Cycle
上画像の参照先において、バイイングサイクルは以下のように説明されています。
よりエンゲージメントの高い存在になっていきます。
これをバイイングサイクルと呼びます。
Prospective customers become more engaged as they move through
the process of becoming aware of your product to the point at
which they decide to buy. This is known as the buying cycle.
サイクルの出発点はUnaware|負ける理由の第1位は「不戦敗」
ということで、バイイングサイクルの出発点は Unaware となっています。日本語に訳すと気付かない、意識しない 知らないということになります。
画像参照先:The Buying Cycle
具体的には、みなさんが社内研修を実施するために研修会社を選定されるときに、弊社HEART QUAKEをご存知なければ、弊社が選ばれることは決して無いということです。あたりまえですが、これはB2BでもB2Cでも重要な事実です。
こちらの動画で元キーエンスの営業の方もこのように仰っています。
B2Bの営業においてはまずは選定されるための2〜3社に入ることが重要なのです。
営業でいう不戦敗とは、見込み客が候補を絞り込む段階で自社の名前が挙がらず、提案の機会すらないまま負けが決まってしまう状態です。商談の進め方や提案内容を磨く前に、そもそもUnawareからAwareへ顧客を動かす活動(展示会・Web・紹介など)ができているかを見直す必要があります。候補に入った後の商談の質については売れる営業と売れない営業の差は「事前準備」にありでも取り上げています。
この分野ではキーエンスさんの事例がとても勉強になります。書籍としては下記がオススメです。
AIDMAプロセスとの類似性
【要点】バイイングサイクルは、認知から関心へと進む流れがAIDMAプロセスに類似していますが、D(欲求)とM(記憶)にあたる部分が「Informed」と定義されている点が特徴です。この購入決定を支援する段階では、オンライン・オフラインでの試用サポートや見積もり対応、ROIモデルの提示など、顧客に良い体験を提供するための具体的なアプローチが求められます。
ということで、Aware⇒Interested⇒・・・と続くことになりますが、このあたりはAIDMAと言われるプロセスに近いと思います。
画像参照先:The Buying Cycle
AIDMAとは、Attention(注意)・Interest(関心)・Desire(欲求)・Memory(記憶)・Action(行動)の頭文字を取った購買行動モデルです(参考:https://digimarl.com/tips/detail/5006/)。冒頭の表のとおり、バイイングサイクルのAware⇒InterestedはAIDMAのAttention⇒Interestに、BuyingはActionに対応します。
AIDMAではDesire、Memoryで示されるD⇒MのプロセスはバイイングサイクルではInformedとなっています。
上画像ではInformed⇒Buyingの間は以下のように説明されています。
見込み客が購入に踏み切るのをサポートする
– オンライン/オフラインサポート付きトライアルサポート・パッケージ
とフォローアップを行い、お客様に良い体験をしていただく
– 顧客からの見積もり依頼に対応する見積書(RFQ)への対応
– 見込み客に積極的に話しかけるレファレンス
– 商談とオファー
– 企業顧客向けの投資収益率(ROI)モデル
原文
Help prospects take the decision to buy with:
• Trial support packages with online/offline support
and follow-up so customers get a good experience
• Responding to customers’ Requests for Quotations (RFQs)
• References willing to talk to prospects
• Commercial negotiations and offers
• A Return on Investment (ROI) model for business customers
こうやってみると、特別なことは言ってない気がしますが、オンライン/オフラインサポート付きというのが最近ぽいですね。
B2B営業に必要な顧客維持という視点
B2Bの営業において重要な視点として、バイイングサイクルの最後(サイクルなので最後という表現は微妙かもしれませんが)Advocatingという項目があります。日本語に訳すと擁護するということになるようですが、一般にはアフターサービスやアフターフォロー、最近ではカスタマーサクセスということになるでしょうか。
画像参照先:The Buying Cycle
これはAIDMAプロセスでは触れられていない項目です。
耐用年数が数年に渡ることもあるB2B製品では、一度リプレイスされてしまうと、次の提案のタイミングは5年後、ということもあるかと思います。そこで顧客維持が重要となるわけです。
顧客から目を離さない。下記を行って支持者に変える:
– 販売後のフォローアップによる問題点の確認
– オンラインサポート(例:チャット、トレーニングビデオ、FAQなど
– 顧客満足度調査および重要な問題の解決
– 他のアドボケイト(支持者)には、次のことをお願いします。
リファレンス、レビューの執筆、”友達紹介 “を依頼する。
– リテンションチームは、解約しそうな顧客を特定し
その顧客に対して維持を提案する。
原文
Look aer your customers to retain them and try to turn
them into advocates using:
• Post-sales follow-up to check they’re OK
• Online support, e.g. chat, training video & FAQ
• Customer satisfaction surveys and resolving
important issues
• Other advocates by asking them to be a
reference, write a review or “refer-a-friend”
• Retention teams to identify customers likely to churn
and make them offers to stay
アドボケイト(支持者)にしていく、という表現がありますが、日本語ではファンにする、または、ロイヤルカスタマーという表現の方が一般的でしょうか。展示会で顧客の声として登壇してもらえるような顧客のようなイメージです。
重要なのは耐用年数を迎える、または、他の問題の解決に向けて「声を掛けてもらえる」体制ができていることだと思います。
Advocatingまで進んだ顧客は、紹介やレビューを通じて別の見込み客をUnawareからAwareへ動かしてくれます。この循環があるため「サイクル」と呼ばれているわけで、顧客維持は次の新規案件の入口でもあります。
まとめ
【要点】B2B営業を成功に導くためには、顧客の購買プロセスに合わせたバイイングサイクル(buying-cycle)の理解と活用が極めて重要です。本記事では、営業活動の効率化と成約率向上に欠かせないこの概念について、具体的なステップや実践的なアプローチ方法を詳しく解説しました。B2B営業における顧客理解を深め、戦略的なアプローチを実現するための参考にしてください。
いかがでしたでしょうか。今回はB2B営業に必要なバイイングサイクル(購買サイクル)をご紹介しました。参考になれば幸いです。
画像参照先:The Buying Cycle
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