内定式は10月1日でなくてもいい|政府の日程ルールと実態のギャップ(10月1日時点で選考終了は42.1%)

【結論】内定式は政府のルールに基づき10月1日以降に行うのが一般的ですが、必ずしもこの日に固定する必要はありません。
採用活動の早期化や長期化により内定者が出揃わない場合は、自社の採用状況に合わせて時期を後ろにずらすことも有効です。
懇親会や個別面談などのフォローを組み合わせ、内定者の不安を解消できる最適なタイミングで実施しましょう。

目次

1. なぜ内定式は10月1日なのか?
2. 再考の原因は採用活動時期の変更
3. そもそも内定式とは?
4. 内定者が一同に会する機会を作るため
5. 内定者の不安を軽減するため
6. まとめ

来年4月入社予定の新入社員への内定式はどの時期にやるべきなのか?ということが問題になっています。

一般的に、内定式といえば10月1日ということが慣例となっていますが、採用選考の早期化・長期化が進んだことで、内定式の時期を再考する企業が増えています。

なぜ内定式は10月1日なのか?

そもそも、なぜ10月1日に行うのでしょうか。

これは「正式な内定日は10月1日以降」という就職・採用活動の日程ルールが背景にあります。かつては日本経済団体連合会(経団連)の指針が日程の拠り所でしたが、現在は政府(内閣官房・文部科学省・厚生労働省・経済産業省)が要請するかたちで同じ日程が維持されています。

【現行の日程ルール】
広報活動の開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
採用選考活動の開始:卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降

※2027年度卒業・修了予定者まで同じ日程が示されています。
出典:厚生労働省「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について」

つまり10月1日は、法律で定められた日ではなく「これより前に正式な内定を出さない」という申し合わせの起点です。逆にいえば、10月1日より後ろにずらすことは何ら問題ありません。

再考の原因は採用活動時期の変更

【要点】内定式を10月1日に固定しづらくなっている最大の理由は、10月1日の時点で採用活動が終わっていない企業のほうが多いことにあります。2026年卒では、10月1日時点で採用選考を「終了した」と回答した企業は42.1%にとどまり、終了率が半数を割り込むのは4年連続となりました。

【2026年卒 10月1日時点の状況】
採用選考を「終了した」企業:42.1%(4年連続で半数割れ)
内定者充足率の平均:65.4%
内定辞退が前年より「増えた」企業:合わせて約3割

出典:株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ「2026年卒採用 内定動向調査/2027年卒採用計画」(2025年9月29日〜10月8日実施、回答1,219社)

さらに2027年卒については、年内に面接を開始する企業が全体の半数に達し、内定出し開始のピークは12月へ早まる見込みとされています。早期に動く企業と、10月以降も選考を続ける企業とに二極化しているのが実情です。

つまり、10月1日時点では内定者が出揃っていないという可能性があります。

大手企業では選考がまだ終わっていないという可能性がありますし、ベンチャー企業では、内定者が内定辞退をし、大手企業の内定を承諾することによって、もう一度、採用活動を実施する可能性があります。

そもそも内定式とは?

そもそも、内定式にはどのような目的・意味があるのでしょうか?
企業によって目的は異なるのかもしれませんが、大きく分けて2つの理由が考えられます。

1.内定者が一同に会する機会を作るため
2.内定者の不安を軽減するため

1.内定者が一同に会する機会を作るため

内定式より前に内定者懇親会を実施している企業も多いと思いますが、任意参加としているケースも多く、内定者全員が集まる機会を作り、同期感の形成、連絡事項の一斉伝達などが可能となります。

内定式に限らず、内定期間中に企業がどのようなフォローを行っているかを見ると、「集まる機会」と「定期的な接点」づくりが中心であることがわかります。

内定者フォローとして実施すること 実施率
懇親会 74.4%
電話やメールによる定期連絡 56.0%
個別面談 40.5%
社内や施設などの見学会 33.3%
社内報送付 27.3%
在宅型の入社前研修(通信教育、e-Learningなど) 26.1%
内定者向けサイト(SNS等)の開設 15.8%
集合型の入社前研修 15.6%

出典:株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ「2026年卒採用 内定動向調査/2027年卒採用計画」(2025年9月29日〜10月8日実施、回答1,219社/上位項目を抜粋・オンライン含む)

2.内定者の不安を軽減するため

少しネガティブな理由ですが、様々な企業が内定式を実施するなか、自分の内定先となる企業が内定式を実施しないとなれば、どこか「大切にされていない」という気持ちになります。

個人的な経験になりますが、かくいう私も、内定者時代に内定式の連絡が来ずに、「この会社、内定式無いのかな?」と不安になり、同級生たちが「内定式に行ってきた」というなか、不安な気持ちになりました。
※結果的に11月中旬に実施されました。

これは感情論だけの話ではありません。前述の調査では内定辞退が前年より「増えた」と回答した企業が約3割にのぼり、内定者フォローに「手厚く取り組む」と答えた企業は従業員1,000人以上の大手で38.9%に達しています。連絡が途切れる期間が長いほど、内定者の不安は大きくなります。

まとめ

【要点】内定式の実施時期は10月1日に限定されておらず、内定者が揃うのを待って10月中旬〜11月にずらす判断も合理的です。大切なのは日付そのものよりも、いつ・何のために実施するのかという実施時期や目的を内定者へ早めに伝えてあげることです。ただし、時期を遅らせる場合には、内定式で何を行うのかという新たな課題が発生することに留意する必要があります。

内定式の実施時期は10月1日と決められているわけではありません。
しかし、時期を遅らせるのであれば、内定者には早めに時期を伝えてあげるのがよいでしょう。

10月1日の時点で採用選考を終えている企業が4割程度にとどまる以上、「内定者が揃ってから実施する」ことを優先して10月中旬〜11月にずらす判断も十分に合理的です。大切なのは日付そのものよりも、いつ・何のために実施するのかを内定者へ早めに伝えることです。

ただし、内定式で何をするのか?という別問題が発生しますが。。。


この記事を書いた人

千葉 順
千葉 順
株式会社HEART QUAKE 代表取締役
元法政大学兼任講師(キャリアデザイン論)
→ 詳しいプロフィール

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