リーダーのためのアンコンシャス・バイアス対策法
今回はリーダーのためのアンコンシャス・バイアス対策法というテーマを考えてみたいと思います。
アンコンシャス・バイアスは誰にでもあるじゃないか、なぜリーダーだけにフォーカスして対策法を考えるのか?と疑問に思った方も多いかと思います。
もちろん誰にでもアンコンシャス・バイアスがあり、リーダーだけが特別にアンコンシャス・バイアスを持っているわけではないと思うのですが、それでもリーダーのアンコンシャス・バイアスが組織(メンバー)に与えるインパクトを考えると、リーダー層のアンコンシャス・バイアス対策を行うことが組織に大きな効果をもたらすと思います。
アンコンシャス・バイアスとは
ここまで何度もアンコンシャス・バイアスと書いてきましたが、アンコンシャス・バイアスとは、無意識の思い込みや、無意識の偏見と訳されます。
英語にするとUnconscious Biasなのですが、Implicit Biasと表現されることも多いようです。ちなみに、Implicit = 暗黙の という意味になります。
具体的には無意識的に以下のようなことを考えているかもしれません。
・若い人の方が発想が柔軟
・白人の方が黒人よりも優秀
・子育て中の女性は泊りがけの出張はできない
参考:アンコンシャス・バイアスという見えない壁
苅田 香苗 2018
杏林大学医学部衛生学公衆衛生学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenko/84/3/84_79/_article/-char/ja
危険なのは「決めつけ」と「押し付け」
一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所 代表理事の守屋 智敬さんによる著書「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じないにはこんな一文が記載されています。
「決めつけ」と「押しつけ」
特にリーダー層が決めつけと押しつけを行ってしまうと組織の関係性が悪くなる可能性もありますし、場合によってはハラスメントと捉えかねません。
リーダーのためのアンコンシャス・バイアス対策法
ではどのようにしてアンコンシャス・バイアスに対応したら良いのでしょうか?まずは以下の3つのプロセスが重要です。
⇒アンコンシャス・バイアスというものを知る
2.気づく
⇒自分にもアンコンシャス・バイアスがあることに気づく
3.向き合う
⇒アンコンシャス・バイアスへの向き合い方を学ぶ
1の知る部分はアンコンシャス・バイアスの簡単な講義や、陥りがちな10のバイアスの紹介が効果的だと思います。
2の気づく部分では1の知るで頭ではわかったが腑に落ちてない部分を体験を通じて気づいてもらうことが重要です。
以前の記事でアンコンシャス・バイアスに気づくゲーム研修を紹介しました。ゲームを実施していく中で自分の持つアンコンシャス・バイアスに気づいて、向き合ってもらうというワークショップです。
ゲームの具体的な内容についてはこちらを御覧ください。
アンコンシャス・バイアスに気づくゲーム研修
しかし、ゲーム以外にもリーダーズインテグレーションというワークショップの手法を用いてリーダーにアンコンシャス・バイアスを体験してもらうことができます。
リーダーズインテグレーションは、リーダーについて知り、チームビルディングを行うためのワークショップとして実施されることが多いプログラムです。
ポイントはメンバーからリーダーについての意見や質問をだすことです。(なお、意見や質問を考えるとき、リーダーはその部屋から一時退出します)
① リーダーについて知っていること
② リーダーについて知らないこと
③ リーダーに知っておいてほしいこと
④ メンバーがリーダーのためにできること
メンバーが自分のどのような意見や質問を持っているのかを知ることで、自分に対するメンバーのアンコンシャス・バイアスを把握し、逆に、自分がメンバーに持っているアンコンシャス・バイアスに気づいてもらう(3の向き合いに該当)という手法です。
リーダーズインテグレーションについてはこちらを御覧ください。
リーダーズインテグレーションのやり方
まとめ
いかがでしょうか。アンコンシャス・バイアス対策はリーダーに向けて実施するのが組織へのインパクトを考えると効果的だと思います。
その上で、講義としてアンコンシャス・バイアスを知り、ゲームやワークショップを通してアンコンシャス・バイアスを体験し、向き合うことで対策を行っていくことが求められているかと思います。