デザイン思考がここ数年流行っていますが、今回はこのデザイン思考について書いていきたいと思います。

まずはデザイン思考とは何かを簡単に書いておきます。

デザイン思考とは人間中心デザインに基いたイノベーションを起こすための、主として非デザイナーを対象とした発想法である。
by Wikipedia

デザイン思考
画像参考:https://www.itc.or.jp/news/dlfiles/20140325_yuugoo_report.pdf

上記のようにデザイン思考は大きく5つのプロセスから構成されます。

もちろん、全てのプロセスが重要なのですが、今回は新商品開発におけるユーザーリサーチニーズの定義の重要性について書いていきたいと思います。

実験で判明!ユーザーリサーチとニーズ定義の重要性

この記事はここから以下の論文を参考に書いていきます。

新商品開発における開発目標の質と設定に至るプロセスとの関係- 検証実験および発話解析による分析
畔柳 加奈子、櫛 勝彦
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/70564/jjsd72_033.pdf

この論文では、新商品開発のなかでどのようなプロセスを経るとよいアイデアが生まれるのか?を実験で検証しています。(テーマは2019年発売の新しいヘアケア商品)

まずは結論から。

「ユーザーリサーチ(ユーザーヒアリング)」と「ニーズの定義」の両方を実施したほうが良いアイデアがでる。

ユーザーリサーチやニーズの定義を行うと、ユーザーリサーチやニーズの定義を行わなかった場合と比べて、ディスカッションにおけるアイデアの量は少なくなるが、その質は高まる

実験としてはパナソニックの社員18名を3人ずつ6つのチームに分け、それぞれに新商品のアイデアを考えてもらうのですが、6つのチームを3つのグループに分けて以下の図のようにそれぞれにプロセスを指定しました。

ユーザーリサーチとはヘアケアに悩みやこだわりを持つ2人の大学生へのヒアリングを実施し、ニーズの定義とは、この実験のために作成されたニーズ定義書式に「ユーザーの現状の不満」などを記入してもらうというものです。

そこで生まれたアイデアを自己評価と有識者評価にかけたところ、以下の図のように、有識者の評価はユーザーリサーチとニーズ定義の両方を行った2チームの評価が最も高かった。(自己評価では差は見れなかった)

また、ユーザーリサーチのみを行った場合よりも、ユーザーリサーチとニーズ定義の両方を行ったのほうが点数が高かった

また、発話分析をおこなったところ、ユーザーリサーチやニーズの定義を行ったチームは、ユーザーリサーチやニーズの定義を行わなかった場合と比べて、ディスカッションにおけるアイデアの量は少ないことがわかった。(下図)

これはユーザーリサーチやニーズの定義を行ったチームは課題への焦点が定まったことでアイデアが無駄に発散せずに済んだということになるかと思います。

面白いのはユーザーリサーチやニーズの定義を行ったチームの会話は製品の機能とユーザーニーズを関連付けた発言が多かったということです。(下図)

これは、具体的なユーザーやその悩みを聞くことで誰の、何のための(どんな問題を解決するための)製品なのか?を明確にしようという想いが働くのだと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。新商品開発においてペルソナやユーザー理解が重要ということはこれまでも言われてきましたが、それが実験によって数値の上でも明らかになったことはとても面白いと思います。

興味のある方はぜひ論文も読んでみてください。

新商品開発における開発目標の質と設定に至るプロセスとの関係- 検証実験および発話解析による分析
畔柳 加奈子、櫛 勝彦
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/70564/jjsd72_033.pdf

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