役員チームビルディングの設計図|経営層研修で本音が出やすい3つの要件

目次
1. 経営層に研修・チームビルディングが必要な3つの理由
2. 役員チームビルディング研修の選定3要件
3. 3要件を満たす代表的なチームビルディング
4. プロジェクトテーマパーク|経営判断を体験するシミュレーション型
5. ストレングスファインダー|強みの相互理解で本音を引き出す
6. リーダーズインテグレーション|新任役員・新CEO就任時の組織融合
7. 経営層研修を成功させる4つの設計原則
8. よくある質問
9. プロジェクトテーマパーク|役員チームビルディング導入をご検討の方へ
10. 役員チームビルディング研修|プロジェクトテーマパーク導入をご検討の方へ
経営合宿や取締役会の場で、役員同士の本音が出ない、意思決定が同質化してしまう、新任役員が組織に馴染まない――こうした課題を抱える経営企画・人事責任者の方は少なくありません。
本記事では「経営層 研修」「役員 チームビルディング」を検討中の方向けに、まず選定の3要件を整理したうえで、それを満たす代表的な3メニュー(プロジェクトテーマパーク/ストレングスファインダー/リーダーズインテグレーション)を、5〜10名規模の役員研修・経営合宿という具体的な文脈で解説します。
なお、本記事は取締役・執行役員クラスの経営層レイヤーを対象としています。管理職向けのチームビルディング全般については、最もチームビルディングが必要なのは管理職? も併せてご覧ください。
経営層に研修・チームビルディングが必要な3つの理由
そもそも、なぜ役員クラスの経営層に「研修」や「チームビルディング」が必要なのでしょうか。一般社員向けの研修と決定的に異なるのは、目的が「スキル習得」ではなく「相互理解と意思決定の質を上げる場」であるという点です。経営層が抱える構造的な課題を3つ挙げます。
同質化リスクで盲点が増える
同じ目線・同じ責任を持つ役員同士で議論を重ねるほど、思考の前提が揃っていきます。これは合意形成の速さという利点がある一方で、「みんなが見落としている盲点」が増える原因にもなります。経営層は組織内で最も同質化が起きやすい集団であり、定期的に異なる視点や役割の取り直しを行わないと、戦略的な選択肢が狭まっていきます。
本音封殺問題でYes-man化する
役員間には、社長・CEOとの上下関係、出身部門の力関係、就任年次などさまざまな「発言力の傾斜」が存在します。会議で表面化しない不安や反対意見が、意思決定の質を静かに下げているケースは珍しくありません。役員同士のチームビルディングは、こうした非公式な発言力の格差を一時的にフラットにする場を意図的に設計する必要があります。
戦略的意思決定の集合知が不足する
経営判断は「個の能力」ではなく「役員チームとしての集合知」で行うものです。しかし日常の取締役会は議題消化型になりやすく、お互いの強み・思考パターン・判断軸を深く理解する機会はほとんどありません。集合知を高めるには、業務とは別の場で判断パターンを相互開示する仕掛けが必要になります。
役員チームビルディング研修の選定3要件
経営層向けのチームビルディングを選ぶときに重要なのは、「管理職向けゲームの流用ではない」という点です。ここでは3つの選定要件を整理します。
要件1. 5〜10名規模で機能するメニューであること
役員研修や経営合宿の参加者は、多くの企業で5〜10名前後に収まります。20〜30名前提の大人数ゲーム(たとえば人狼系の多人数フォーマット)は、そのまま持ち込むと役者不足で機能しません。少人数でも深い議論が回るよう設計されたメニューを選ぶことが第一の要件です。
要件2. ビジネス文脈で抽象度が経営判断レベルであること
役員クラスにとって、研修の題材が日常業務の抽象度より下にあると関心が続きません。「製造工程の擬似体験」「営業ロープレ」ではなく、リソース配分・ポートフォリオ判断・人材登用・戦略的リスクといった経営層の業務そのものに直結する抽象度の題材を選ぶ必要があります。
要件3. 役員間の関係性編集に効くこと
経営層向けの研修で本当に価値があるのは、参加者の「関係性のアップデート」です。同質化を崩し、発言力の傾斜をフラット化し、強みと弱みを開示し合える場を設計できるかどうか。スキル習得型の研修プログラムをいくら積み重ねても、ここに効かなければ役員クラスの投資対効果は出ません。
| 要件 | 具体的な確認ポイント |
|---|---|
| 5〜10名規模で機能 | 最少人数で実施可能か、密度のある対話が回るか |
| ビジネス文脈の抽象度 | 経営判断・戦略・人材登用に直結する題材か |
| 関係性編集に効く | 発言力の格差をフラット化する設計があるか |
3要件を満たす代表的なチームビルディング
【要点】役員チームビルディングの代表的なメニューには、経営判断を体験するプロジェクトテーマパーク、強みを可視化し相互理解を促すストレングスファインダー、新任役員や新CEO就任時の組織融合に特化したリーダーズインテグレーションの3つがあります。これらは優劣ではなく、役員チームの状況や目的に応じて選び分けることが重要であり、それぞれ異なる課題に対して高い効果を発揮します。
| メニュー | 推奨人数 | 所要時間 | 特に効く課題 |
|---|---|---|---|
| プロジェクトテーマパーク | 3人×複数チーム(5〜10名) | 2〜3時間 | リソース配分・戦略判断・権限委譲 |
| ストレングスファインダー | 5〜10名で柔軟 | 1〜4時間 | 強み相互理解・本音整列 |
| リーダーズインテグレーション | 新任役員+チームメンバー | 約1時間半 | 新任役員・CEO就任時の組織融合 |
プロジェクトテーマパーク|経営判断を体験するシミュレーション型
【要点】プロジェクトテーマパークは、3〜10名規模の役員研修に適した体験型ビジネスゲームです。ゲームを通じて役員同士の判断パターンが可視化され、その後の議論を圧倒的に深めることができます。実際の研修事例として石井食品様での実施実績があるほか、ストレングスファインダーと組み合わせた具体的なプログラム設計も可能です。

プロジェクトテーマパークは、テーマパーク建設プロジェクトの運営を題材にした体験型ビジネスゲームです。複数のアトラクションを並行して走らせ、限られたリソース(人員・予算・時間)を配分しながら、天候やイベントといった不確実性に対処していきます。
役員チームでこのゲームを実施すると、プロジェクトポートフォリオの優先順位付け、権限委譲、リスク判断といった日常業務に直結する論点が、ゲーム上の意思決定として顕在化します。誰がどの場面で慎重になり、誰がリスクを取りに行くか――役員同士の判断パターンが可視化されるため、その後の議論が圧倒的に深くなります。
少人数チーム(4人前後)×複数チームでの実施が基本のため、3〜10名規模の役員研修にちょうど収まる設計になっています。実際の研修事例は 石井食品様でプロジェクトテーマパークを用いた研修を実施しました をご参照ください。
また、後述するストレングスファインダーと組み合わせた研修設計については ストレングスファインダー✖︎プロジェクトテーマパーク で具体的なプログラム例を解説しています。
ストレングスファインダー|強みの相互理解で本音を引き出す
【要点】役員チームビルディングにストレングスファインダーを導入することで、発言力の格差ではなく「資質の違い」として相互理解が進み、経営層の本音を引き出す場を設計できます。本アセスメントを活用した研修やワークショップ、ゲームを組み合わせたプログラムのほか、株式会社ネットドリーマーズ様などの具体的な実施事例も豊富に存在します。

ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)は、34の資質から個人の強みを可視化するアセスメントです。役員チームに導入すると、各役員の強みパターンを共通言語化でき、「なぜあの意思決定で対立するのか」「誰が何の判断に向いているか」が構造的に説明できるようになります。
少人数(5〜10名)でも、半日〜1日のプログラムで深い対話が可能です。発言力の格差ではなく「資質の違い」として相互理解が進むため、本音が出やすい場を設計できる点が経営層との相性の良さです。
導入の全体像は ストレングスファインダー チームビルディング研修|認定コーチが1時間から実施 と ストレングスファインダー チーム活用研修|強みを発掘して活かすワークショップ に整理しています。研修にゲームを組み合わせるパターンは ストレングスファインダー研修にゲームを導入|強みを活かすチームビルディング をご覧ください。実施事例として 株式会社ネットドリーマーズ様でクリフトンストレングス研修を実施 も参考になります。
リーダーズインテグレーション|新任役員・新CEO就任時の組織融合
【要点】リーダーズインテグレーションは、役員就任や組織再編、M&Aによる統合などのトリガーが発生したタイミングで集中投下すべきワークショップ手法です。新任リーダーへの匿名質問を通じて、配下のメンバーとの心理的距離を短期間で一気に縮める効果があります。日常的な経営合宿ではなく、特定の文脈においてストレングスファインダーなどと組み合わせて関係性を編集・構築する際に極めて有効です。

リーダーズインテグレーションは、新しく就任した役員・経営者と、その配下のチームメンバーを短期間で相互理解させることに特化したワークショップ手法です。新任リーダーへの匿名質問を集めて、リーダーが答える形で進行するため、就任後の数十時間で組織との心理的距離を一気に縮められます。
新任役員・新CEO就任時、組織再編で新しい執行体制が発足したとき、M&Aで合流した役員チームの統合フェーズなど、「特定の文脈」で極めて高い効果を発揮します。日常的な経営合宿の定番というよりは、トリガー(就任・統合・再編)が発生したタイミングで集中投下するメニューと位置付けるのが現実的です。
具体的な進め方は リーダーズインテグレーションのやり方 で、ストレングスファインダーと組み合わせて関係性編集の効果を高める設計は リーダーズインテグレーションにストレングスファインダー®を使う方法 で解説しています。
経営層研修を成功させる4つの設計原則
【要点】経営層研修を成功させるには、メニュー選びではなく役員特有の場をデザインする4つの運営原則が不可欠です。具体的には、忖度を防ぐため外部ファシリテーターを起用して権威中立性を確保し、失敗していい場を担保します。さらに、フィードバック構造の事前合意と、感想共有ではなく具体的な行動の「宣言」で締める設計を組み込むことが重要です。
原則1. ファシリテーターの権威中立性を確保する
役員同士の本音を引き出すうえで、最も致命的なのは「社内の人間がファシリテーターを務めること」です。社長や人事責任者がファシリテートすると、参加役員の発言は無意識に忖度が入ります。権威構造の外側にいる外部ファシリテーターを入れる、これが第一原則です。
原則2. 「失敗していい場」を担保する
役員クラスはふだん、判断ミスが許されない立場で仕事をしています。だからこそ研修の場では、ゲーム上の失敗・誤判断・的外れな発言を「失敗していい」と明示的に宣言する必要があります。これがないと、研修内でも「正解を当てに行く」モードが続き、関係性編集が起きません。
原則3. フィードバック構造を事前合意する
役員同士のフィードバックは、力関係が絡んで非対称になりがちです。研修の冒頭で「誰が誰に、どんな観点で、どのトーンでフィードバックするのか」を全員で合意してから始めると、想像以上にフラットな対話ができます。
原則4. 終わりを「宣言」で締める
研修や合宿の最後は、感想共有ではなく「明日から何を始める/何をやめる」を一人ずつ宣言する形で締めるのが効果的です。役員クラスは「気づき」のレベルで終わらせると、日常業務に戻った瞬間に上書きされます。具体的な行動への着地までを場の設計に組み込みます。
よくある質問
役員研修は何人くらいで実施するのが適切ですか?
5〜10名規模が現実的です。3名以下だと相互理解の対話量が足りず、15名以上になると全員が深く発言する時間が確保できません。役員のうち中核メンバーを絞って実施するか、執行役員も含めて10名前後で組むのが一般的です。
半日と1日、どちらが効果的ですか?
メニューによって所要時間は異なります。リーダーズインテグレーションは約1時間半(93分)、プロジェクトテーマパークは2〜3時間、ストレングスファインダーは1〜4時間が標準です。経営合宿の中でメインプログラムとして組み込むなら、複数メニューを組み合わせて半日〜1日構成にするのがおすすめです。
役員間の関係が良くない状態でも効果はありますか?
むしろ、関係性に課題を抱えた状態の方が効果は出やすいと考えています。ただし、対立が深刻な場合はいきなりゲーム型の研修に入るよりも、ストレングスファインダーで「お互いの違いを構造として理解する」フェーズを先に置く設計が無難です。
外部ファシリテーターは必須ですか?
役員研修においては、ほぼ必須と考えてください。社内の人間がファシリテーターになると、参加役員の発言に忖度が入り、本音整列の効果が大きく削がれます。研修の効果を最大化したいなら、権威構造の外側にいるファシリテーターを起用してください。
役員チームビルディング研修|導入をご検討の方へ
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