後継者育成で何を経験させるか|次世代リーダーに必要な6つの経験

さらに、プロジェクトマネージャーのスキルを伸ばす「外部との交流」や「リソース管理失敗」など4つの要因を掛け合わせることで、経営幹部に必要なコンピテンシーを効率的に高めることができます。
大企業では次世代リーダー、中小企業では次期経営陣・後継者の育成に課題感を感じているという方も多いかと思います。
【2025年最新データ】後継者は「親族」から「社内で育てた人材」へ
帝国データバンクが2025年11月に公表した全国約27万社を対象とする調査によると、後継者不在率は50.1%と前年から2.0ポイント低下し、改善が続いています。ただし、育成という観点で本当に見るべきなのは不在率そのものよりも「誰が後を継いでいるか」の変化です。
| 後継者候補の属性 | 割合(2025年) |
|---|---|
| 非同族 | 41.0% |
| 子ども | 29.7% |
| 親族 | 24.6% |
| 配偶者 | 4.7% |
出典: 帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」
後継者候補として最も多いのは非同族の41.0%で、子ども(29.7%)や親族(24.6%)を上回っています。実際に社長が交代した経緯を見ても内部昇格が36.1%と、同族承継の32.3%を上回りました。
つまり後継者は「親族の中から選ぶ」ものではなく、社内の人材を計画的に育てて用意するものへと変わりつつあります。加えて、2025年版中小企業白書によれば全国の経営者の平均年齢は2024年時点で60.7歳(2025年版中小企業白書 コラム1-1-11)。育成に充てられる時間は決して長くありません。
だからこそ問われるのは「誰を後継者にするか」ではなく、その候補者にどんな経験を積ませるかです。次章から、その設計図としてハーバード・ビジネス・レビューが示した6つの経験をご紹介します。
2018年2月号のハーバード・ビジネス・レビューに面白い記事を見つけ、過去に書いた記事とも関連する内容があったので次世代リーダー・後継者の育成に必要な6つの経験というテーマでご紹介したいと思います。
ご紹介する記事は上記のハーバード・ビジネス・レビューのP11-21に記載されている「潜在能力を開花させる経営リーダーの育成法」という記事です。
この記事では、エグゼクティブに必要な8つのコンピテンシー(成果志向、戦略性など)を、それぞれ7つのレベルに分け、経営幹部にはレベル4が必要、CEOにはレベル5が求められる、といった興味深い内容が記載されていました。(詳細は書籍を御覧ください)
そして、さらに後半にでは、そのコンピテンシーを高めるにはどのような経験が必要なのか、ということで大きく6つの経験が挙げられていました。それが下記となります。
2.損益管理
3.複数事業や地域の統括
4.全社職能組織の運営
5.新規事業の立ち上げ
6.リストラクチャリングの指揮
引用:ハーバード・ビジネス・レビュー 2018年2月号 P18
4.全社職能組織の運営がやや分かりづらい気もしますが、イメージとしては労働組合や人事部が該当すると考えています。
書籍の中ではさらに詳しく、成果志向を高めたいのであれば、損益管理、新規事業の立ち上げ、リストラクチャリングの指揮を体験すると良いという形で必要なスキルと経験がマッピングされています。(詳細は書籍を御覧ください)
弊社では過去にプロジェクトマネージャーのスキルを伸ばす4つの要因という記事を書きました。4つの要因とは下記のことです。
例:社外や社内の部門をまたがっての研究会やコミュニティなどへの定期的な参加経験
2.タフな仕事環境経験
例:厳しい要求をする顧客との仕事の経験
3.リソース管理失敗経験
例:リーダーやマネージャとして、プロジェクトの予算が大幅にオーバーした経験
4.褒められ経験
例:自分の巌頭したプロジェクトが表彰された経験
プロジェクトマネージャーのスキルを伸ばす4つの要因
4つの要因と6つの経験を比較してみると比較的近いことを言っている気がします。
「交流」という観点で言えば下記が該当。
⇒1.大組織の指揮
⇒3.複数事業や地域の統括
⇒4.全社職能組織の運営
2.タフな仕事環境経験
「タフ」という観点で言えば下記が該当。
⇒5.新規事業の立ち上げ
⇒6.リストラクチャリングの指揮
3.リソース管理失敗経験
「リソース管理」「失敗」という観点で言えば下記が該当。
⇒2.損益管理
⇒5.新規事業の立ち上げ(特に失敗時)
⇒6.リストラクチャリングの指揮
4.褒められ経験
⇒5.新規事業の立ち上げ(特に成功時)
新規事業は成功したのか失敗したのかによって異なってきますが、どちらにせよ育成という観点では役立ちそうです。
まとめ
いかがでしょうか。次世代リーダー・後継者の育成に悩まれている方は必要な6つの経験、4つの要素を参考にしてみてください。
また、ぜひハーバード・ビジネス・レビュー2018年2月号の記事を読んでみてください。


