今回は名著「ザ・ゴール」で紹介されているサイコロとマッチ棒のゲームについてご紹介したいと思います。

コミック版が読みやすいです

実はこの本、出版は1984年なんですよね。

ザ・ゴールはイスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラットが著述し
1984年に出版されたビジネス小説。

2001年に発売された日本語版も68万部を超えるベストセラーとなっている。

ウィキペディアより

私が初めてザ・ゴールを読んだのは2004年大学3年生の時でした。当時、インターンシップに参加していたベンチャー企業のCOOがオススメしていてその日のうちに買ったのを覚えています。

本書でボトルネックについて学んだものの、大学生当時、活用シーンは無く、ザ・ゴール2の思考プロセスにフォーカスした書籍の方が役立ったという印象があります。

サイコロとマッチ棒のゲーム

前置きが長くなってしまいましたが、ザ・ゴールで紹介されているサイコロとマッチ棒のゲームについて書いていきたいと思います。

自身が工場長を務める工場での問題を解決に悩む主人公は、息子とその友達が参加するハイキングの引率の中で、子供1人1人の歩くスピードが一定ではなく、かつ、それは前のこどものスピードに依存するという統計的変動と依存的事象という現象に気づきます。

1列になった状態で前の人が遅ければ、後ろの人がどれだけ早く歩けても前の人のスピード以上には進めないということです。
コミック版では下記のように描かれています。

画像引用:「ボトルネック」を見つけることができれば組織の問題は解決できる
https://diamond.jp/articles/-/286283

すると休憩時間中に子どもたちがサイコロで遊んでいるのを見つけます。サイコロはまさに統計的変動なわけです。サイコロの出目は1〜6、つまり平均すると3.5となる計算になりますが、当然、3.5という出目はありませんし、1が連続で出てしまうこともあります。

主人公はサイコロの持つ統計的変動という要素にもう1つの依存的事象を組み合わせて、ハイキングや工場で起こっていることと同じ状態を再現(シミュレーション)できないだろうか?と考えます。

そして考えたのが次のルールです。

子供を1列に並べ、依存的事象を作り出し、サイコロの出目の分だけマッチ棒を次の子供のお椀に入れるというルールによって統計的変動を実現しています。

これによって、下画像のように前の人が遅ければ、後ろの人がどれだけ早く歩けても前の人のスピード以上には進めないというハイキングと同じ状態が実現できました。

主人公はサイコロの出目の平均である3.5を市場の需要(顧客からの発注数)と考え、このゲームを理論上10周行えば、35本のマッチ棒が出荷できると考えましたが、先ほどから書いているように依存的事象と統計的変動によって、おそらく10周では最後の子供のお椀から出てくるマッチ棒の数が35本に満たないことを予想しています。

で、どうなったのか?

当然ながら、35本には届かず、スループットは理論値の6割以下の20本となりました。

ハイキングや工場と同じ結果となり、現象は再現できた主人公ですが、では、どのように問題を解決できるか?ということに答えは出ていません。

なお、ハイキングにしても工場にしても、ゲームにしてもポイントは誰もサボっているわけではない、ということです。みんなが自分なりに頑張っているが全体として成果が出ないという状況で、これはこの国の状況を含めて多くの場面でみられる事象ではないでしょうか?

主人公は隊列を後方から見ながらあることに気が付きます。それがボトルネックです。

結局、問題の一番の要因となっているところがどの部分なのか?を見極めてそこを改善しなければ全体としての成果は変わらないということに気がついたのです。

先ほどのサイコロとマッチ棒のゲームでは、まず最初の1人が大きな数値を出すことが重要なのです。最後の人がいくら6を連発しても最初の1人が1を連発していれば意味がありません。(しかし、サイコロなので改善しようがないですが。。。)

ということで、ボトルネックに気づいた主人公はボトルネックを解消し、スループットを上げるための3つの施策をうち、ハイキングでの問題を解決しました。

ボトルネックを解消し、スループットを上げるための3つの施策はこちらでご覧いただけます。
「ボトルネック」を見つけることができれば組織の問題は解決できる
https://diamond.jp/articles/-/286283

以上がザ・ゴールで紹介されているサイコロとマッチ棒のゲームです。

まとめ

いかがでしょうか。今回はザ・ゴールで紹介されているサイコロとマッチ棒のゲームをご紹介しました。

画像引用:「ボトルネック」を見つけることができれば組織の問題は解決できる
https://diamond.jp/articles/-/286283

コミック版はこちら。

ちなみに、ボトルネックを感じてもらうために研修の中でこのゲームを行うのも良いと思いますが、少し単純すぎるので同じような目的で実施できるビールゲームがオススメかもしれません。

ビールゲームについてはこちらをご覧ください。

ビールゲーム実施の流れ


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