全体最適を意識するためのコイン渡しゲームのやり方
今回は、比較的IT企業を中心に実施されているコイン渡しというゲームについて紹介したいと思います。
このゲームは個別最適ではなく、全体最適を意識し、行動したほうがよりよい成果がでることを体験できるゲームです。
IT企業では主に、アジャイル開発と呼ばれる開発プロセスの中で、トヨタのカンバン方式の有用性を伝えるために用いられています。
IT企業で行っているチームでの仕事の進め方であるアジャイル、カンバン方式についてはコイン渡しゲームも記載されているこちらの書籍がおすすめです。
コイン渡しゲームのやり方
それでは、コイン渡しゲームのやり方について紹介したいと思います。
1.4人1グループ+1人の進行役の5人で実施。
2.それぞれの役割分担は、顧客役、作業者A、作業者B、作業者Cとする。
3.準備物は20枚のコイン、ストップウォッチ2つ、ホワイトボード
4.4人でテーブルを囲むようにして実施する(下画像)
5.顧客 ⇒ 作業者A ⇒ 作業者B ⇒ 作業者C ⇒ 顧客
という流れでコインを渡していく。コインが一周する。
6.各プレイヤーは、渡されたコインを裏返しにして、次のプレイヤーに渡す。
7.進行役はストップウォッチで以下を計測する
a.各プレイヤーがコインを裏返すのに掛かった時間
b.最初のコインが顧客に戻ってくるまでに掛かった時間
c.最後のコインが顧客に戻ってくるまでに掛かった時間
8.ゲームは3回繰り返します
各回では、コインを渡す単位を変えます。
1回目:20枚
2回目:5枚
3回目:1枚
つまり、1回目では、20枚裏返ししてから次の人に20枚のコインを渡します。
2回目は5枚裏返したら次の人に5枚のコインを渡します。
3回目では1枚裏返したら次の人に1枚のコインを渡します。
3回実施して結果がどうなるかというと、このようになります。
注目してほしいのは各プレイヤーが掛かった時間は単位が小さくなるほど長くなっているのに対して、最初のコイン・すべてのコインが戻ってくるまでの時間は単位が小さくなるほど短くなることです。
これはつまり、個別最適よりも全体最適を考えた方がチームとしての成果がでることを示しています。(個別最適を考えるなら20枚毎の方が早い)
このようなことが起こる理由は簡単で、手待ちの時間が発生するからです。
手待ちのムダはトヨタの7つのムダの1つにも挙げられていますが、他の人の作業完了を待っている時間というのはムダとなります。
まとめと関連製品
ということで、コイン渡しゲームを用いて個別最適ではなく、全体最適を意識してもらい、トヨタの7つのムダのフレームワークを用いてチームとしての成果をあげるために改善できることを見つけるというワークを実施してみるのはいかがでしょうか。
コイン渡しゲームについてはこちらの書籍でも紹介されていますので興味のある方は読んでみて下さい。
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