今回は内省(ないせい)について書いてみたいと思います。
内省とは、その名の通り、内(うち)を省みる(かえりみる)という意味で、簡単に書けば、自分の行動や思考プロセスを見つめ直すことと言えると思います。

弊社では過去にも内省についてはいくつか記事を書いてきました。
例えば、 変革型リーダーは内省する では、内省経験は変革型リーダーシップに対する大きな影響を持っていることを書きました。

また、経験学習の診断を行うための16項目の尺度 では、内省的省察とはいかのような行動を指すこと、

内省的省察
・必要な情報を集めて、経験したことを分析する
・経験したことを多様な視点から捉え直す
・自分の仕事の成功や失敗の原因を考える
・様々な意見を求めて自分の仕事のやり方を見直す

また、内省的省察の得点が高い人ほど業務能力が高いことを紹介しました。

ここまでで内省がビジネスマンにとってとても重要であることはおわかり頂けると思いますが、今回は一般的なビジネスマンが、現状としてどのように内省をしているのか?をご紹介したいと思います。

なお、ここからは下記の論文を参考にして記述していきます。

内省支援が必要な中堅社員の内省プロセスの特徴の質的研究 2019
廣松ちあき・尾澤重知

日本教育工学会論文誌
2019年 42巻 4号 p.297-312

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/42/4/42_42087/_article/-char/ja

内省とは問題解決の経緯を振り返ること?

この論文ではとあるIT企業の中堅社員に対してインタビュー調査を行い、そこでの発言を元に、仕事における内省プロセスをモデル化しています。
実際のモデルが下図となります。

内省 モデル
画像参考:内省支援が必要な中堅社員の内省プロセスの特徴の質的研究

モデルだけでは分かりづらいかもしれませんが、論文では以下のような記述があります。

「見どころはあるが伸び悩む中堅社員」の内省は,
第一には仕事の問題解決の経緯を振り返ることであり,
次いで他者からの働きかけによって,自己の内面的特徴を
多角的に検討することが分かった

つまり、一般的なビジネスマンにとっての内省は問題解決の経緯を振り返ることということになります。

上のモデルで言うところの仕事の振り返りの太枠内ということです。
具体的には、問題が発生したことをきっかけに、原因分析を行い、暫定対応を行い、その結果を元に再発防止策を検討する、という出来事を思い出すことが内省ということになるようです。

一般的なビジネスマンと優秀なビジネスマンの内省の違い

一見、まぁ、確かにそうだよな、と納得しそうになりますが、過去記事で紹介した内省と比較するとやや浅い気がします。

例えば、変革型リーダーは内省する では、

内省によって、現実に起きている事象と、自分の持っているメンタルモデルの歪みを察知し、現実に合わせて自分自身のメンタルモデルを変革することができる

とされており、単なる問題解決プロセスの想起ではなく、自分のメンタルモデルを変革するとされています。

また、経験学習の診断を行うための16項目の尺度 では、

・経験したことを多様な視点から捉え直す
・様々な意見を求めて自分の仕事のやり方を見直す

のように多様な視点からや、様々な意見を求めてといったキーワードが出てくる通り、より広い視点で行動や思考プロセスを振り返ることを内省と言っています。

この違いが一般的なビジネスマンと変革型のリーダーや業務能力が高いビジネスマンとの違いなのかなと思います。

また、個人的な意見としては内省が問題が発生をきっかけに行われていることにも違和感を感じます。理想としては問題が発生していない段階でも現状のプロセスを見直し、改善するための策を考えることが重要だと感じています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。内省が大事だとはわかっていながら、いまいちどのように内省をしたら良いのかわからないという意見があります。
そこで今回は一般的なビジネスマンの内省プロセスをご紹介しつつ、リーダーや業務能力が高いビジネスマンとの内省の違いを比較の中からご紹介しました。

参考になれば幸いです。

参考論文

内省支援が必要な中堅社員の内省プロセスの特徴の質的研究 2019
廣松ちあき・尾澤重知

日本教育工学会論文誌
2019年 42巻 4号 p.297-312

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/42/4/42_42087/_article/-char/ja


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